「時代の申し子」ダーリング jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
時代の申し子
ジャーナリストのロバート(ボガード)が
ダイアナ(クリスティ)に惹かれたのは
美貌ばかりでなく、活力があり、新しい時代の息吹を感じ取ったからかな
(スウィンギング・ロンドン)
でも彼女は彼の知性に利用価値を感じなくなると
飛ぶ鳥落とす勢いの広告代理店の最高幹部マイルズ(ハーベイ)に飛びつく
仕事は後押ししてくれるから まさにウィンウィンの関係だが
遊び人である彼は関係を結んでも彼女に深入りしない
ゲイの写真家は優しく楽しいが
愛情の対象としては見てくれない
ここで金魚殺害(葬儀セレモニーはする)や万引きも
誰かに愛情や何かを与えようとしない人間であることを露呈
時代の波には上手く乗っかっているような彼女は
一目惚れされたイタリア貴族と結婚
彼は多忙なため彼女の中身に気付かないから
いいかも… でも彼女は孤独
そして召使には静かにチェックされている
空しさを感じた彼女はロバートの元に舞い戻るが
時代とその申し子に見切りをつけた彼は渡米を決意
流行と活力には相互関係があるけど空虚
軽いノリのダイアナが着こなす60年代ファッションは素敵
(衣装ジュリーハリス)
ロバートがインタビューする市井の人々も面白かった
クリスティを支える男優陣は磐石
まともなインテリを演ずるボガード
端正で 人の反応を見ているようなプレイボーイを演ずるハーベイがちょっと素敵でした
髭を剃りながら「何言ってるの、この子」みたいな処も
流行を生み出す側に君臨する彼は 実際、何をやっていて軽薄になるのでしょうか
出会いも多そうだけど 幸福なものは無いのかもしれません
ロバートが本を書く、と言っていましたが
冒頭のポスターの自伝は先手を打ったダイアナのものかな?
クリスティは美しいが、好きになれない女を好演
でも彼女の着こなしと衣装には惹かれてしまいました