「隠れたゾンビ映画の名作!」ゾンゲリア だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
隠れたゾンビ映画の名作!
単純なゾンビ映画とは一線を画す、亜流ゾンビといった作品となりますが、全く新しいタイプのゾンビ映画といえるでしょう。葬儀屋のじいさんがゾンビで成り立つ世界を理想郷とし旅行者に対して次々と殺しを行いゾンビとして蘇らすという奇抜なお話です。
ものすごく綺麗に生者と変わらないくらいな容姿で死者をゾンビ化させれるのですから、ある意味天才的な技術なのです!もし商売として確立すれば、お金持ちなんて飛びつきそうですし、この技術正式に発表をすれば、このじいさんノーベル賞ものですよというレベルの物ですが、もったいないかな、使い道が自己中心的でカルト集団化してますので、ただの殺人集団に成り下がってしまってます。
ただ、舐めてはいけません!いや~グロいったらありゃしない!まさにグロシーン目白押しです。人間バーベキュー、眼球にお注射、鼻から硫酸で顔面溶解などの残酷シーン満載てんこもりです。それもそのはず、この時代の特殊メイク技術としては、非常に評価されているようですが、今観ても見事といえるほどの残酷技術の仕上がりです。とても綺麗な看護婦姿の女性が包帯巻きの男性の眼にお注射ぶっさりはあまりにも有名なシーンも誕生しています。
そして、印象的な場面が多い映画ではあるのですが、やはりラストシーンが秀逸です。ダン刑事の妻ジャネットが自ら墓穴に身を構え、ダンに向かって泣きながら「私を埋めて…、私を埋めて…」と懇願し、彼はシャベルを手に取ると、泣きながら愛する人を埋葬するシーンがあります。この悲しいシーンがかなり印象強く残ります。ゾンビ映画には似つかわしくないほどの悲しい音楽が、何ともこの映画の特異性を示しているのです。
今みてしまうとやっぱり物足りない部分もあるかもしれませんが、80年代の代表的ゾンビ映画には間違いありませんし、この後名作ゾンビ映画の『バタリアン』が作られた思うと、ゾンビの新しい形を提案した作品として間違いないです!