センチメンタル・アドベンチャーのレビュー・感想・評価
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「ホンキー・トンクのREDさん」はのたまう「男はずるいよ」
Marty Robbinsの「Honkytonk Man」だそうだ。
サントラ盤にはイーストウッドの歌は収録されていないそうだが、劇中の主な歌は彼自身の歌のようだ。
「大草原の小さな家」
「南から来た用心棒」「怒りの葡萄」「俺たちに明日はない」「モダン・タイムス」等など
色々なお話が散りばめられたカントリー&ウェスタンのミュージックロードムービー。
彼が演じているのは「親バカ」だと思う。誰でも思うのは「イーストウッドも親バカだった」だと思う。しかし、それは100も承知していたんじゃないかなぁ。
何から何まで最低の男を演じている。そして、それに何一つ言い訳を入れていない。それが良いね。
こんなクズな男を実の息子の前で恥ずかしげもなく、演技しきるのは、僕は彼をたたき上げの職人に見える。
もう一つ「男はつらいよ」をリスペクトしたのかなぁ。勿論、フーテンの寅よりもクズだし悪い奴。でも、女性に振られたくらいでへこたれない。
歌を歌う前とメリーの話をする時だけ彼は笑った。
他の映画を含めて滅多に見せない笑みを。そして、一発も銃を撃たずに。。。
「ハンバーガーばかりだな。豚になっちゃうぞ」
因みに、イーストウッドさんはカントリー&ウェスタンよりもブルースとかJAZZが好きだったはずだ。彼が制作監督した「BARD」を見てみたい。
「チャーリー・パーカー」の話だ。
因みに因みに、息子さんはJAZZMANだ。
音楽にも造詣が深いイーストウッド
ナッシュビルまで行く金がない。ホイット(イーストウッドの息子。今はジャズ・プレーヤー)はレッドにギターを習うが、飲んだくれで起こりっぽいレッドはなかなか上手く教えてくれない。ドライブに出かけたけど、ブタバコに入れられて脱走。家に戻るが、子供のホイットに酒を飲むなと念をおし、じいさんも連れて再出発。
ギターは上手いが歌は下手なイーストウッド。ハチャメチャだし、子供(と言っても、車を運転してるし、子供じゃないかも)に娼宿で筆おろしさせてるし・・・
金のためとはいえ、やらせの強盗。そして女を旅に加える・・・しかし歌がムチャ下手!面白いキャラなんだけど、イーストウッドが嫌ってるし・・・妊娠したと騒ぎ出すし・・・
それでもレコーディングにまでこぎつけたイーストウッド。歌以外にもギター、ピアノの腕が光りますね。そしてすぐに咳き込んでしまうという事実・・・実はずっと前から結核だったのだ。最後はちょっと悲しい。
ラスト、甥のホイットと、最後には愛してると言われたメイが「歌って金を稼げばカリフォルニアに帰れる」とか会話しながら歩いていると、カーラジオからレッドの歌が聞こえてくるのだが、それに気づかない二人・・・なかなかいいエンディングだ。歌は下手だけど味がある!
後半の甥に結婚について聞かれた辺りからよかったです。
自由奔放に家族も作らず夢追い人となり、最期はチャンスを逃すもレコーディングできたので、亡くなってから有名になるなんて寂しいけど、良い最期だったのかも。甥っ子には辛い思いもさせちゃいましたね。
とてもよかった
禁酒法時代のアメリカでカントリーミュージシャンがオーディションを受けるために甥っ子と旅をする。お金が全然ないはずなのに、車とギターがピカピカだった。だから金がないとも言えるような感じだった。売春婦が美しかった。才能や実力があってもものにならない人を描いていて、確かにそういう人っているなあと思って切なくなった。
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