「大人様ランチ(笑)」007/ムーンレイカー pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
大人様ランチ(笑)
ここのところ「影響、受けました?」もしくは「茶化してる?おちょくってる?」ってのがずーっと続いてましたよね?
ダーティー・ハリー、燃えよドラゴン、アラビアのロレンス、そして、ついに今作では、来ました!
「スターウォーズ」(笑)
うん、まぁ、もう好きにやってくれていいよwww
ポンチョは「荒野の用心棒かい!」ってツッコんであげるのが正しいお作法なんだろうね。
こういうテイストは、好き嫌いが分かれるところだろう。
自分も決して嫌いとまでは言わないんだが、例えるなら
「コブラ」や、せいぜい「ルパン3世」だった007が次第に「シティーハンター」(槇さんが亡くなったあとの、シリアスからコメディ路線に変更したあとの)となり、ついには「こち亀」までいってしまった・・・という感じなんだよね。
そうか、今わかったぞ!
ムーア・ボンドは両津勘吉だったわけだ。コメディタッチのオチも、不死身の生還力も両津なら納得だ。
個人で使用出来るようなレーザービームガンなんて2017年頃からようやく実用的な開発が進み始めたばかりで、70年代になんぞ夢物語に過ぎなかった。
だから、そういうのを登場させちゃうとハードボイルドなスパイ小説が一気に子供向けのウルトラマンや戦隊モノみたいになっちゃうんだよね。
お色気たっぷりのアダルト向け映画だから、さしづめお子様ランチならぬ
「大人様ランチ」ってところか。
感心するポイントもある。
B.G.がNASA勤務の宇宙船スペシャリストの博士。アストロノーツ訓練も終了済み。しかもCIA。というスーパーガールなのは良いね。時代の流れか、今後のB.G.は知性的な女性が増えてくるのでしょうか。
ドラックスの選民思想の台詞に、ジョーズが反応したところは少しグッときた。
おそらく彼は幼い頃から、フリークスだ、モンスターだと、容姿を嘲られて育ってきたのではないかな?
ドラックスの真意を聞き、強敵ボンドの友となるジョーズ。地味だが本作有数の秀逸なシーンだと思う。
最も驚いたのは冒頭のスカイダイビングシーンの撮影裏話。当時は今のような小型カメラが無いから、撮影に耐えうる最軽量機材は67秒しか撮れない。
その為、スタントスタッフはなんと88回!もダイビングを敢行したとか。
予想を遥かに上回る数字にビックリです。
ロープウェイ上も特撮じゃないなぁ、とは思ったけど、実は「命綱無し」だったとか。
仮面ライダーV3の宮内洋さんが、藤岡弘先輩の言葉に触発され、アオレンジャーのシーンで「ロープウェイの上、どこまで登っちゃうんだ?大丈夫か!」ってヒヤヒヤな回があったのを思い出しましたね。(まぁ、007のは日本のロープウェイと比べたら相当大型なので、宮内さんの方が凄いなと思ったりw)
まぁ、大衆娯楽作品としての使命は果たしたのかな。
興行成績は「スターウォーズ帝国の逆襲」に次いで2位だそうだ。
ゴンドラチェイスも悪くないけど、次作はきっちりボンドカー、出しておくれよ?
そだ、ジョーズ!
おめでとう♪お幸せに!(笑)