「ハンナアーレントとセットで。」スペシャリスト 自覚なき殺戮者 ken1さんの映画レビュー(感想・評価)
ハンナアーレントとセットで。
人類史上、稀なる裁判の記録。映画「ハンナ・アーレント」とセットで観るとより理解が深まる。
道徳的で、穏やかで、正直で、真面目で、優秀で、職務に忠実で、細やかなところまで気が回り、かつ従順であるアイヒマンはなぜ、ホロコーストに手を貸したのか。
感情的で激しい追求にも関わらず彼の返答は変わらない。「命令に従っただけだ。」知らぬ間に裁判自体の傍聴者になっている私たちの心に去来する問い。「アイヒマンが私なら果たしてどうだったのか」
今だからこそ声高に戦争反対を叫ぶのではなく、戦争はいかにして起こるのかを直視することが必要なのではないかと、考えさせられる。
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