白い国境線

劇場公開日:

解説

「平和に生きる」のルイジ・ザンパが監督した一九五〇年度作品で、脚本は同じく「平和に生きる」のピエロ・テッリーニがステファノ・テッラと協同で書下した。製作のカルロ・ポンティ、撮影のカルロ・モントゥオーリもすべて「平和に生きる」と同じで音楽はカルロ・ルスティケリの担当である。ジーナ・ロロブリジーダ、ラフ・ヴァローネ、エルノ・クリザ、チェスコ・バセッジョの他「自転車泥棒」の子役エンツォ・スタヨーラが主人公を演ずる。

1950年製作/イタリア
原題または英題:Cuori senza Frontiers
配給:イタリフィルム=松竹
劇場公開日:1951年9月1日

ストーリー

一九四七年、北イタリアの小村に連合国の軍人達がジイプを乗りつけた。国際委員会の決定によって、村の中をイタリアとユーゴの新国境線が通ることになったのだ。村は一夜にして二分されセバスチアン(C・バセジオ)家では農園をユーゴ側に引はなされた。セバスチアンの息子パスクワリイノ(E・スタイオラ)はじめ子供達は遊び場所を両断された彼の姉ドナータ(G・ロロブリジーダ)を恋している青年ステファノ(E・クリーザ)は、ユーゴ側に渡り彼女の一家が国境を越えて来るよう、口説きつづけた。或日ドナータとパスクワリイノはユーゴから逃げてきた国事犯ドメニコ(R・ヴァローネ)を救い、このため一家の名は大いに挙ったが、迫って来た貧窮は一家をステファノの手引でユーゴ側に追わせた。ドメニコを恋しはじめていたドナータは、父を通じてステファノが結婚を申込んで来たのに思い悩んだ。一方両国に分れた子供達は、国境線をはさんで毎日喧嘩をつづけていたが、或日パスクワリイノが額に石をぶつけられたことから和解し国境の標識を谷底へ投げ落してしまった。村は国境線をはさんで不穏な空気につつまれた。おどろいたパスクワリイノはその夜標識をさがしに出かけたが、同じ時ドナータを連出しに越境して来たドメニコはステファノにみつけられ二人の間で機銃戦が起った。この物音に両国の警備隊は発砲、流弾に当ってパスクワリイノは倒れた。争いを恥じた両国警備隊は国境線を解放し、セバスチアン一家は恋をドメニコに譲ったステファノの好意で再びイタリア領へ戻ることになったが、その車中、ついにパスクワリイノは絶命した。

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