シビル・アクションのレビュー・感想・評価
全6件を表示
非常にクオリティの高い苦味のあるヒューマンドラマ
これは隠れた名作だと思うが、隠れたままなのもわからなくはない。実話ベースの感動話なのだが、ビジネス最優先だった野心家の弁護士が、大企業相手の環境汚染訴訟そ引き受けたことでひたすらどツボにハマっていくという暗澹たるドラマであり、善意が芽生えても栄光は得られない苦悩を追体験するのは観客としてもしんどいのだ。
しかしもともとは脚本家であるザイリアン監督の抑制の効いた演出に、伝説の撮影監督コンラッド・ホールの映像が深みを与えていて、どうしても地味にならざるを得ない話をしっかりとしたクオリティで下支えしている。主演のトラボルタを筆頭に、山あり谷あり人に事情ありのせちがらい人生模様が詰まった名演のオンパレードでもあり、甘さより苦みが勝ったヒューマンドラマの傑作として再評価されてほしい一本。
くそ忌々しい司法だが、日本よりは弱者にやさしい
この法廷ものも事実に基づいているとのことだが、この翌年に『エリン・ブロコビッチ』が公開されたことを考えると、関連性があったのだろうかと考えてしまう。
ポルシェに乗ったトラヴォルタはちょっと嫌味な感じだけど、人の情けを徐々に理解するようになる雰囲気がよかった。最初は「金にならないものは引き受けない」とか言ってましたもんね。意外と面白いのは、財務担当のウィリアム・H・メイシー。長期裁判には金がかかるので、弱小法律事務所を救おうと節約、節約、また節約。被告側弁護士デュヴァルの老獪さも、奥に秘めた恐ろしさを感じさせる。
3億ドルの要求額に対して、デュヴァルは2千万ドルでの和解を持ちかける。原告側は井戸に流れ込んだ毒を証明するのにてこずっていたこともあり、悩むドラヴォルタ。結果、デュヴァルが顧問するベアトリス社だけ審理が打ち切られた。残るはグレース社のみとなった。個別に示談に持ちこもうとするものの、家族の反応は・・・
意外な結末となったが、社会派映画としたらこれが正解かもしれない。
【2005年視聴】
トラボルタ!!!
全6件を表示