「もっとヒリヒリするような前衛が観たかった!」詩人の血 osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
もっとヒリヒリするような前衛が観たかった!
かれこれ、もう30年以上、ついつい観る機会を逸していた本作。
やっぱり、こういう映画はスクリーンでないとピンとこない。
しかし…
う〜ん…
もっと前衛的で、コクトーならではのマジックがあると思ってたが、そうでもなかった。
だいぶ昔に、特に前衛ではないが、より完成度の高い『オルフェ』や『美女と野獣』等を見てしまっているのもあるとは思うが…
そういった意味で言えば『オルフェ』のプロトタイプと言えなくもないが(鏡へのダイブとか、フィルムの逆回転とか、それに竪琴…)
であれば、もっとプロトタイプらしく先鋭的に攻めて欲しかった。
アイデアは諸々と良かったのだが、鮮烈な印象を残すようなショット(構図やライティングも含めて)がチョット足りない。
(これも先に『オルフェ』を見てしまっているせいかもしれない)
映画で詩を表現しているというよりは、どちらかというと観念的で説明的。
あと、音楽がイマイチ退屈だったのもマイナス要因。
あの世界観のサウンドトラックに合うような、もっと前衛的な作品、当時は他にもあったのに。
まあ、『オルフェ』好きは、参考までに観ても損はないかも。
あと、リー・ミラー、喋って動いてるの初めて観たけど、やっぱりイイ女だねえ。
コメントする