「肖像画にジェニーへの愛が凝縮されている」ジェニーの肖像 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
肖像画にジェニーへの愛が凝縮されている
公園でのジェニーとの邂逅が生むときめき。ジェニーを愛する気持ちが、売れない画家イーベンの絵に魅力を備え、売れる画家へとなっていく成長譚が良い。そして次にジェニーと会う約束をする度に、もう二度と会えなくなってしまうのではないかと思わせる展開が切ない。そんな切ないストーリーを、劇中に挿入される音楽が盛り上げていて良かった。
ジェニーとの出会いを誰も信じてくれないと言うイーベンに対して、「あなたが信じていればそれでいい」と声をかける画商の女性の言葉は、達観した大人の優しさに溢れていたのが良かった。
メトロポリタン美術館で飾られるジェニーの肖像画は、彼女に対するイーベンの愛が、絵画という形で凝縮されていて泣けた。
コメントする