劇場公開日 1996年1月20日

「テクノ・スリラーの先駆け&素晴らしいサスペンスだ。」ザ・インターネット 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0テクノ・スリラーの先駆け&素晴らしいサスペンスだ。

2024年11月23日
PCから投稿

政府の機密情報にアクセス出来るフロッピーディスクを手にした女性アナリストが、自分の個人情報を全て抹消され、犯罪歴で指名手配のある女性に改ざんされた中、真相を暴く姿を描く。

公開当時(1995年)は、インターネットの黎明期だ。自分の知らない所で、簡単に個人情報が改ざんされる、情報化社会の恐ろしさを取り上げ、技術と発想で奮闘する女性をスリリングに描く。先見の明があったテクノ・スリラーだ。

本作の1番の見所は、サンドラ・ブロックの力強い熱演。状況に戸惑いながらも、必死に真相を追及しようとする存在感が、この作品を大いに支えている。

設定やあらすじに無理があるという批評家が多かった作品だが、一見の価値がある。プロットはなかなか複雑で、緊張感を持った演出も悪くない。ネット社会への警鐘として先駆的な作品だし、素晴らしいサスペンス・スリラーだと思う。

瀬戸口仁