「コシュ・バ風花」コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
コシュ・バ風花
この監督の映画は「ルナ・パパ」しか見たことがなかったので、もう一本ぐらい見ておこうと。
若いカップルの恋の綱渡り(!)は微笑ましくもあるが、何かとちぐはぐな関係性であまり盛り上がらない。そもそも賭博にうつつを抜かすミラの父親がクズ過ぎて、同情の余地がない。最後借金がどうなったのかもよくわからなかった。
ロープウェイは映画のアイテムとしてなかなか効果的。随所に投入される俯瞰ショットが良いね。しかし観光地でもなさそうなのに、何のために設置されているのだろうか?
この映画の撮影時、タジキスタン内戦のさなかのようで、銃声やら戒厳令やら剣呑な要素も時折よぎるが、案外軽く流される。何だか住民は無気力で希望を失っているようでもある。当時膨大な数の難民が発生したようで、彼らが賭博に耽溺してしまうのも致し方ないことかもしれない。
タジキスタンはロシア主導のCIS(独立国家共同体)の加盟国だが、監督はこの映画を撮った後ドイツに移住している。その後49歳で早世したらしい。
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