劇場公開日 1974年6月8日

「才能を感じずにはいられない」続・激突!カージャック タンバラライさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5才能を感じずにはいられない

2024年8月14日
PCから投稿

Xでコルレ尾根殿が盛んに推すので見たくなって見た。
非常に才能を感じさせるショット・カメラワークの数々。熱烈な映画ファンが推すだけのことはあった。当時これを見た巨匠たちは凄い新人が出てきたと思ったことだろう。カメラワークが面白いなあと思いながら 真ん中まではそれだけで楽しめる。絵が全て良い。カメラと、そしてやっぱり優れた映画監督はみんな共通の特徴として音楽の使い方がうまい。
カメラワークの面白いところで1つだけ 例を示しましょう。 ちっちゃい子供が犬と遊んでるシーン。黒い犬の前にパトカーが横からから入ってきて そのパトカーをフォローしてカメラが止まる。 画面いっぱいに黒いパトカーが映り込む。 そうすると黒い犬とのモンタージュ効果が出て黒い パトカーが何かの忠実なしもべのように見える・・・
登場人物が少ないし、人間ドラマもあんまり・・というかほぼないので途中から面白いストーリー的にはかなりダレる。・・脱走犯 勝手に狙撃しようとするおっさん達が現れたのに驚いた。この時代まで アメリカはそんな感じだったんか?!・・っていう楽しさは有ったが・・
で、終盤でまた盛りかえす。人間ドラマも出てきて 面白くなる。そして ラストシーンがとても美しい 。

この映画はスピルバーグと同じ時代に生きる映画ファンなら絶対観なきゃダメ!・・ そう感じさせてくれる映画だった

ちなみに原題はThe Sugarland Express  ストーリーのネタが黒澤明と菊島隆三 脚本の「暴走機関車」にやや似ており、黒澤ファンとしては その点も楽しかった。
コルレ殿、サンクス!

タンバラライ