狂ったバカンスのレビュー・感想・評価
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若い女性に翻弄された中年男性の悲哀
人生に成功した男の淡い恋
金も、地位もある男の悲哀。
モノクロ映像は色に捉われず
男と若者たちの交流を描き
ひとりの女性を狙う男の下心
それを迷わすことなく見せる。
若者とのギャップを知る男
歳上をもて遊ぶ若者たちと
自爆に気がつかない中年の性
若者グループの一人に恋心を抱き
男はモノにしようと奔走する。
物語の途中途中に男の妄想を差し込み
軽く浮ついた内面を見せてくれる。
この1962年のイタリア映画は、カトリーヌ・スパーク演じる若い女性のサバサバした雰囲気と、どこまでも明るいスタイルに、男の哀しみは相手にならず、コメディ化している。
ほぼ同時期に、アメリカは「ロリータ」、日本は「月曜日のユカ」と、若い女性に魅了され狂う中年の男を描いた映画が制作されている。ロリータの女性は計算高く、ユカは心に闇を持っている。3本の映画で同じなのは、純粋な少女の心と大人の女性を匂わせる女性と、若い女性に魅了され、勘違いに翻弄され、狂ってゆく中年男性の姿があることだ。
カトリーヌ・スパーク演じるフランチェスカの最後の台詞が印象的。
男の最後の涙が短い日々を物語る。
中年男性の永遠の課題を語る映画のひとつ。
※
小悪魔スパーク炸裂
明日は我が身だ、気を引き締めろ。
スパーク祭三本目。
いやいや、無邪気な女子の罪深さに拍車が
かかっております。
16歳って設定がチト引きますが
(日本では条例が!)まぁ、それは横に
置いておきまして。
魅力的な年下女子に翻弄される
39歳子持ち離婚中年男のお話でございます。
女性の口説き方を自慢するプレイボーイが
まークルクルと16歳のスパーク様に、
若者達に振り回され、からかわれと、、、。
あまりに気の毒で辛くなるほど。
でも、おじさん。張り合うんだよな。
何度騙されても立ち向かって行くんだよな。
戦争経験世代は強いのか?
はたまたプレイボーイのメンツか?
いやいや惚れた弱みでしょう(笑)
その様がおかしすぎます。
スパーク様故に振り回されることに
圧倒的な説得力が生まれてますから
何度繰り返しても、
「だよなぁ〜」
って、おじさんに同情です。
仕方ないです、あんな雰囲気になったら。
あんな魅力的な表情をされちゃ。
このおじさんが若者バカンスに巻き込まれて
いくクダリは秀逸ですよ。
大人なプライドと恋心を突かれて
転がる石のように落ちていくんですもん。
脚本書いた人イジワル好きだろなー。
あれよあれよとドツボにハマっていく感じは
テイスト変えたらホラーになりまっせ。
ケラケラと笑って観てましたが、
いやー、本作は教訓ですよ。
若い子にチヤホヤされて、もしかして?
なんて色めきたってはいけないって。
ただの夏の戯れを本気にしたら、、、
涙でハンドル濡らすハメになっちゃう
季節は、夏は、通り過ぎるもの。
でもなぁ、夏が終わる、、、って
遠い目で決着つけられてもなー。
おじさんは、燃え易く消えにくいんです!
良作コメディでした。
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