「金貨の社会性を放棄する寓話」グリード ジャパニーズ先住民さんの映画レビュー(感想・評価)
金貨の社会性を放棄する寓話
棚ぼた金貨は使われることなく金ピカに磨かれ愛撫されて崇拝される物神と化し、妻はベッドに撒き散らし薄ら笑いを浮かべながら一緒に寝る。精神の安定を金貨に求めたことで猜疑心、妬みが生まれ、その帰結として人間関係の崩壊を引き起こす。
普通、実現したい目的のために商品を手に入れたり、自己アピールをするものだけど、この映画の世界ではこの社会において、そうした行為に価値を見出せない、ということなのかもしれない。
夫も旧友人も人影ない死の谷で金貨を所有することに固執し、お互い孤立して喜劇的な破滅へと向かいます。
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