劇場公開日 1989年10月28日

「演技と演出が自然」偶然の旅行者 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5演技と演出が自然

2013年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )

 二人の女の間で揺れ動く、自分の感情を押し殺して何を考えているのかわからない男の恋愛模様を描く作品。

 彼は控え目だし心をなかなか開かないし自ら一歩を踏み出そうとしない。自分の殻に閉じこもって退屈そうな生活を頑なに守り、その代わりにちょっとした平穏を得ている。そんな彼が一人のかなり積極的な女性との出会いで変わっていく話なのかと思ったが、必ずしもそうでもない。別居中の妻が現れた後の彼の姿勢はちょっとずるいなとも思ったが、でもこの状況ならば多くの人は彼のようにするのかも。
 かなり積極的に誘ってくる女性の登場ということを除けば似たようなことはどこにでもありそうだが、揺れる心と三人の関係の変化が良く描かれているし、それを表現した演技力と自然な演出がこの作品の質感を高めていた。

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Cape God