巨星ジーグフェルドのレビュー・感想・評価
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ハリウッド映画の豪華絢爛たるレビューのスペクタクルに圧倒される
正にハリウッド映画らしい豪華大作だ。レビュー王フロレンツ・ジーグフェルドの波乱に満ちた生涯をMGM映画風に改変させて事実とは違うものらしいが、そんなことを問題視する必要が無いほどに歌と踊りの絢爛たるショーに見惚れるばかりで、3時間の長い時間を楽しく過ごすことが出来る。昨年の「ザッツ・エンタテインメント」で観て驚いたシーンの凄さに、今回は完全に圧倒されてしまった。どうすればこんな撮影ができるのだろうかと、正直想像できない。このセットの巨大さ、ステージの広大さの、アメリカの資本力とエンターテインメントには脱帽せざるを得なかった。天国に届くほどのケーキ型のらせん階段のセットでは、それを覆うカーテンがあるが、天井の仕組みが全く見当が付かない。その一番下の段に披露された様々な民族衣装の華麗さも、目を瞠るばかりだ。もう一つは、いくつかの大きな長方形の舞台が、奥と手前に移動する見せ方。前者が舞台の高さを見せつけるスペクタクルと回転のショーアップで、後者は舞台の奥行きと広さを生かしたもの。ベットを使用した美しい踊りの上手さも凄い。
ただ期待外れだったのは、ジーグフェルドが興行の失敗から立ち直り、「リオ・リタ」「フーピー」「三銃士」「ショーボート」の上演に成功する絶頂期のハイライトが描かれなかったこと。多分前半の制作に予算を掛け過ぎて、後半に掛けるお金がなかったのだろう。個人的にはせめて「ショーボート」ぐらいはたっぷり映像化して欲しかった。全てに満足した訳ではないが、豪華絢爛な舞台と衣装のダンサーの見応えのあるレビューの凄さに対して、敬服と共に賛美を送りたい。
1976年 11月27日 フィルムセンター
あまりにも有名になった螺旋階段のレビューショーのシーンは中盤に登場
MGMと言えばミュージカル
そのミュージカルの名作の数々を紹介する映画「ザッツエンターテイメント」(1974)の中でも白眉として扱われていた作品が本作です
特に豪華な舞台装置や衣装、登場する踊り子達の総数
物凄い予算を掛けて製作されていた代表格として紹介されています
そこで本作の代表的シーンとして紹介されていることから、あまりにも有名になった螺旋階段のレビューショーのシーンは中盤に登場します
ミュージカル映画の範疇にはいっていますが、歌と踊りはステージのシーンとして扱われて、それ以外のシーンは普通の映画です
物語は戦前のブロードウェイの興行王フローレンツ・ジーグフェルドの半生を描いたもので、彼の手掛けたショー部分がミュージカルとなっているわけです
分量的には四分の一くらいでしょうか
その螺旋階段やその他のブロードウェイのステージのシーンは、もの凄い見応えがあります
想像を遥かに超えて、もう口をあんぐりあけて呆けたように観てしまう
それ程のものです
いくらお金をかけても現代ではもはやこれを上回るようなものは到底不可能と思います
似たものは出来るかも知れません
しかし圧倒的な美的センスが最早現代では真似のできないところなのです
舞台装置の美術、その動き、材質の豪華な質感がそれです
それは衣装もしかりです
照明も、踊りも、楽曲も、撮影も何もかも当時のスタッフの美的センスが恐ろしく高いものだった事が分かります
美術にエディ今津という日本人の名前があるのが誇らしいことです
日本人として初めてアカデミー賞にノミネートされた人になるそうです
白黒作品ですが目眩くような色彩を感じます
それを想像するだけでワクワクしてしまいます
もしも本作がAIによる自動カラー化と4Kリストアされたなら、どんなに素晴らしい映像が甦ることでしょう
ミュージカルが好きなあなた
LaLaランドにはまったあなたならきっと気にいるはずです
ミュージカル好きなら観て無いわけにはいかない映画です
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