KIDS(1995)のレビュー・感想・評価
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ヤりたい盛り
駄話の如く男側と女側からの下ネタの応酬、アレくらいの歳なら許容範囲内、、にしてもクソ野郎過ぎて共感出来ない若者像。
この後にラリー・クラークが写真家であることを知ったし一貫してリアルな若者像を撮り続けるスタイルは廃れずに、ハーモニー・コリンの映画監督としての存在感、クロエ・セヴィニーはクセのある女優に、ハロルド・ハンターは90年代ニューヨークのスケートアイコンとして伝説に、ジャスティン・ピアーズも逝ってしまった。
やはりG・V・サントの目の付け所とセンスの良さ、あらゆるカルチャーの先駆的な人物が揃い踏みな本作の新たな時代の不良像。
キャスパーを筆頭に黒人を集団リンチ、そんな酷い場面に流れるのはダニエル・ジョンストン、お陰で和めてしまうギャグ的な!??
90年代以降、あらゆる青春映画的な傑作も最近を含め、本作の堕落した不謹慎さを超えるのは、まだ無いかなぁ、と久々に鑑賞して思った。
これなら写真集でいい。
映画として見たらやっぱり駄作かな。切り取った美しさはありながら。
映像作品として評価したらいいんだろうけど、映画は画だけでは要素としては足りない。
たぶんこの作品の一番の欠点は「時間」を意識していないところ。流れではなく断片の寄せ集めに終始している。これなら写真集でいい。画にインパクトがあるしパラパラと眺めるには優れた作品になっただろう。
他、とくにないかな。
思ってたより…
よくファッションデザイナーなどが影響を受けた映画として本作を挙げることが多く、かなり前から気になっていたのでDVDを購入し鑑賞。予想以上に生々しい描写で驚いた。
ストーリーは単純で、HIVが流行した時代で若者が性行為と薬物乱用を繰り返すというもの。
まず、男のキャラクター全員は頭おかしくてマリファナやってラリって、軽い犯罪も犯しながら、頭は性行為のことしか考えていないってことだけが本作を通して伝わる。そこには人間関係のいざこざも特に無く、HIVってものが影に潜むってことだけが描かれる。
その性行為の描写と小さい子供が薬物をやってる描写から、現代ならコンプライアンス的に絶対に製作できない映画だと感じた。
本作は製作総指揮がガス・ヴァン・サントってこともあって、事実を綴ったドキュメンタリー映画と捉えれば、「エレファント」に似ているのかもしれないが、あの映画からは何かしらキャラクターの感情の変化が汲み取れたし、何しろ演出にこだわりを感じた。その点、本作は若者が欲望によって堕落した生活を送っているのを描いてるに過ぎない。
ただ、このような映画は今まで見たことも無かったし、若者の生態をリアリティを追求して描いているという点では評価するべきなのかもしれない。よって、評価は完全に分かれるように思える。
ファッション関係者が本作を評価するのは、ストリートファッションの根源が本作に出てくるような若者たちであり、彼らの自由で自然な生き方とマインドに何かしらの共感とリスペクトがあるからであろう。
正直、本作を見て映画を鑑賞したという気分にはなれないが、80分を通してユースカルチャーを学ぶという考え方をすれば悪くは無いのかもしれない。
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