カスパー・ハウザーの謎のレビュー・感想・評価
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人間や知性、はたまた文明について考えさせられる怪作
鬼才ヘルツォークの映画を観るときにはみぞおちのあたりが痙攣する。その世界はときに常軌を逸し、観る者を驚かせ、ともすれば嫌悪させることも多いが、本作も「人間性」というおぼろげな輪郭を持った存在について、彼にしか成しえない素っ頓狂さで迫ってみせる。序盤から、ほぼ言葉を用いずに主人公の暮らしを描く場面には、演技の域を超えた異常さを感じるばかり。そこから彼が初めて街へと足を踏み入れ、文明と対峙を果たす場面からは、物語のテーマがより内面へと向かっていく。とはいえ、説教じみたことは何もなく、ヘルツォークなりの荒治療で次々と描写やエピソードを重ねて、観る者に淡々と突きつけるのだ。面白いものでこの真っさらな視点で、ぎこちなく語られるカスパーの言葉には妙に心を打ち、芯を喰ったところがある。彼は何者だったのか。それについて考えることは、人間性とは、知性とは、文明とは何か、を問うのと同意味を持つのかもしれない。
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穴蔵から外へ
何度か涙を流す場面があったけれど笑ったり怒ったりは無く感情の起伏は乏しいままで世の中に出られたことは彼にとって意味はあったのか。 下品かもしれないが気になったのは女性との接し方や性教育を教えていたのか? そんな描写が一切無かったことが実話だとしてもリアルさに欠けているような。 観ていて段々とカスパーに愛着を感じてしまうが全体的に淡白でダレる。
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