影の軍隊のレビュー・感想・評価
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『仁義』の監督でしたか。納得。
先ずは原作があるので、歴史的史実ではない。つまり、かなりの脚色がある。
今まさに銃殺する時に、一旦、銃殺される者を逃して、横に開けられた大きな窓から脱出が成功する。しかも、脱出を助ける側と助けられる側との意志の疎通が無い。つまり、この状況で助かる確率は数学的に〇。知らないで見たが、この映画の監督とは『仁義』の監督でしたか。納得。そう思って見ると!ワンカット、ワンカットが中途半端な尺だし、余計な演出が多かったと思う。偏見ではない。また、カラー映画なのに、暗くてコントラストが弱いので、寝ぼけた朝靄の中の幻想の様になっている。効果だとすれば、逆効果だと思う。ペタン政権に対するフランス人の贖罪にもなっていない。到底、共感できる内容ではないし、映画としても、緊張感のかけらもない映画だと、僕は思う。
勿論、レジスタンスの攻防が一本化されないのは歴史的な事実。連合赤軍の様な事はあっただろう。共通しているのは、ユダヤ系が一掃されているので、ユダヤ人に対する偏見は残っていた。
『収容所には沢山の人種が収容されている』と言うセリフが字幕されるが、全て、インド、ヨーロッパ人種であり、所謂、白人。『字幕』か『セリフ』が間違っている。『沢山の民族』と訳されるべきだ。その点が、ほぼ無視されている理由は、この監督が、ユダヤ系やロマ人を他の人種と見ていた理由だと思うし、この監督は差別主義者だと思う。ナチが逃げ帰ったフランスにも土着のナチは沢山いたと言うことだ。
レジスタン運動に生死を賭けた人たちの記録
1942年から1943年にかけてドイツ軍占領下にあったフランスのレジスタンス運動に生死を賭けた者たちの壮絶な悲劇。フィルムノワールの後継者メリヴィル監督の抑制された静寂な演出タッチが全編を覆い、その暗鬱さが当時の時代の空気感とフランス人の息苦しさを表現する。兵士同士の戦闘だけが戦争の悲惨さではないことを、改めて強く認識しないではいられない。抵抗運動の固い絆の根源は祖国愛でも、裏切り者に対する躊躇ない制裁には、人間の追い詰められた極限状態の残虐性が露になる。主人公ジェルビエが体験する、ゲシュタポのゲーム感覚の処刑のやり方にも驚嘆するが、人間の尊厳を凌辱する意味では共通するのかも知れない。
物語は、イギリスの潜水艦でロンドンに密航、同志がゲシュタポに拘束された知らせを受けて飛行機からパラシュート降下で帰国するところや、ドイツ兵に変装して監禁された仲間の救出を試みるところなど、緊迫した場面が続く。そして、女闘志マチルダを射殺したレジスタンス仲間4人の男たちもそれぞれ道半ばで殺される結末が、何ともやるせない。リノ・ヴァンチュラ、ソモーヌ・シニョレ、ジャン=ピエール・カッセル、ポール・ムーリスとフランス俳優の真剣な演技が、映画を最後まで惹きつける好演。
醜悪
タイトルから巴里を守ったレジスタンスの活躍ぶりを描く戦争映画かと勝手に想像していたがまるで真逆、レジスタンスの内側を赤裸々に描いて、レジスタンスへの賞賛や美化を真っ向から覆している。正規軍であれ陰であれ戦いは綺麗ごとでは済まされないというのは分かるが見方によってはナチスもレジスタンスも非道さにおいてはどっちもどっちもの感さえ覚える。
連合赤軍の事件が頭をよぎる。主人公は仏レジスタンスの裏切り者粛清役だから仲間と言えど情け容赦なく殺す、それだけの話を延々2時間20分も見せられては病気になりそうだ。
歴史とはそういうものだと言われれば善いも悪いもなく、醜悪なだけだ。
けっこうよかった
フランスのナチスに抵抗するレジスタンスの話で、リーダー格のおばちゃんが仲間を収容所から救出するために、普段は地味なのにセクシーな格好に変装しているのが面白かった。その変装はボツになっていて安心した。見ていてやたらと緊張感がある。ただとても長い。
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