劇場公開日 1977年8月6日

「鬱というよりは厭世」鬼火(1963) Jolandaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0鬱というよりは厭世

2021年3月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

フランス映画なんで、やっぱりそれ相応に会話が多めなんだけど、はなからけっこう眠たい状態で見始めてしまった、、ので、細かい見落しはありそう。

主演の人、典型的な昔のフランスの甘いマスクって感じなんだと思うんだけど、ちょっと甘ったれた感じに見えてイライラしてしまった(腹痛のせいもあると思う。ごめん。)

主人公は一応、アルコール依存症ってことになってるんだけど、今みたいな専用のリハブもない時代だから、精神病院に入ってて。でも、入院というより入居に近い生活。豪勢なマンションを数人でルームシェアし、小間使いも雇って、部屋の中から鍵もかけられて、みたいな。当然、居心地がいい。医者に退居、いや退院を迫られても、のらりくらりと言い逃れる日々。

でも、旧友たちを訪ねに街へ行く気力はある。冒頭シーンと会話から察するに、どうもEDらしくもある。本人もそれを気にしてる。でもって、知り合いたちの生き方がどれもこれも気に入らない。老けるのが嫌。大人になるのも嫌。

たぶん、鬱というよりは、気難し屋の厭世家で、ついでにちょっとピーターパン症候群でEDの人ですね。フランスはアモーレの国だから、EDを深刻に捉えたんでしょう。依存症もそうだけど、医学が進歩してよかったな。「休みなさい」「人生は楽しいものだよ」なんて、医者じゃなくたってパンピーだって言えることだもんね、、

yolanda