大いなる遺産(1946)のレビュー・感想・評価
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かなり評価が難しい作品だと思った
まず、とても長い原作を圧縮しているので、どこが見どころなのか。ピントがはっきりしなくなっちゃってる。
十年ほど前に助けてくれた少年に、どうしても会いたくて危険を犯してきてしまったという感じがあんまり出てない。
エステラがあんまりかわいくない。彼女が主人公を愛しているという感じが出てない。彼女がどうしてほかの男と結婚しようとしたのか、まったく描かれてない。主人公だって大いなる遺産を受け継ぎそうなことがわかっているんだから何も他の男へ行くことなかったじゃん。
おーきな屋敷のおばあさんと弁護士のところにいた小間使いさんと脱獄のおじさんとの関係が、言葉の説明だけで。こんがらがった。
結局、終わったときに頭の中でなにかまとまり切れない感覚が残った。
・・・
調べてみると、原作の人間関係は非常に複雑で、映画とはほぼ全く違う話だ。原作はイギリスの階級社会に対する激しい憎悪のようなものが渦巻いており、それ自体が物語のテーマとなっている。それを超圧縮してハッピーエンドの冒険物語に変えるんだから無理があった。
なんてたって原作
映画の限界
尻にしかれるピップ
ディケンズの世界が見事に映像化されたイギリス映画の古典的ドラマツルギー
デヴィッド・リーン監督と云えば「アラビアのロレンス」のみが語り継がれているが、初期の「逢びき」や中期の「戦場にかける橋」、そして後期の「ドクトル・ジバゴ」「ライアンの娘」も名作の名に相応しい。そのリーン作品の中で個人的に最も好きな映画が、この「大いなる遺産」だ。チャールズ・ディケンズの世界観とストーリーテラーの面白さが、リーン監督の手堅く洗練された演出と個性的役者の好演、それにガイ・グリーンの素晴らしいモノクロ映像美の撮影により、完成された古典的ドラマツルギーの模範の領域にある。「ライアンの娘」の父役ジョン・ミルズが、何と若々しく主人公を演じていることか。まだ幼さが残るジーン・シモンズの早熟な少女の可愛らしさとのコントラストもいい。主人公ピップの義兄を演じるバーナード・ミルズのお人好しなところや、切れ者弁護士役の巨漢フランシス・L・サリヴァン、ピップの親友役のアレック・ギネスの頼りなさげなか細さ、そして脱獄囚のフィンレイ・カリーのかくれた善人性と、イギリス演劇の役者たちの厚みに感服するしかない。荒涼とした大地と不気味な雰囲気を醸し出す流れる雲の空を捉えた映像の冒頭からラストの大団円まで、リーン演出によるディケンズの世界を堪能できる。
さすがデヴィッド・リーン監督、ディケンズらしさが横溢
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