劇場公開日 1987年4月25日

「クジ売りの少女」エレメント・オブ・クライム kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0クジ売りの少女

2023年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

 基本的にはハードボイルドタッチな刑事物で、精神科医の催眠療法によって過去の事件を進めていく展開。そこでは宝クジ売りの少女(LOTTO GIRL)が次々とバラバラ殺人の被害に遭う。刑事フィッシャーは恩師であるオズボーンのメモによって犯人と思しきハリー・グレイという男になりすまして各地のホテルに泊まるのだが・・・

 これがラース・フォン・トリアーのデビュー作なのか!後の作品に繋がっていくセンスは感じられるが、まだまだ残念な部分もあったりする。全編セピア調で主人公の主観部分が多いが、映像には徐々に慣れてくる。犯人と同じ薬を飲んだり、売春婦のキムと行動を共にしたりと、混沌とした夢の世界で事実が交錯する内容だ。

 ハリー・グレイの筆跡とフィッシャーの筆跡が似ていたことから、もしや同一犯?と展開も想像できたけど、彼の傷ついた精神はもっと別次元のベクトルで破壊されそうな・・・「犯罪の原理」というオズボーンの理論。むしろ「犯罪の美学」とでも言いたいような内容でした。

kossy