劇場公開日 1999年11月27日

「主役の女の子の存在感!」エイミー live_at_luxorさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5主役の女の子の存在感!

2009年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

主役のエイミーを演じる女の子の歌声と演技が圧巻。
とにかくこれに尽きます。

同じオーストラリアの音楽映画といえば
個人的には『シャイン』を思い出すところですが
今作の主人公は“ピュア”という言葉がぴったりな
かわらしい女の子。

小さな頃に受けた出来事のショックから
耳が聞こえず言葉も話せません。

草原を走り回るシーンから始まる冒頭の空気感は
まさにオーストラリアの大自然。
そんな何にもない土地にひっそりと暮らしていた母子が
逃げるように引っ越した先のとある小さな路地。

物語はここから始まります。

この街では毎日が退屈な同じことの繰り返し。
それぞれに問題を抱える住民たちはどこか排他的で利己的。
はじめは殺伐とした雰囲気です。

そこに現れた言葉の話せない女の子。
小さな出来事をきっかけに徐々に心を通わせる住民たち。
同じことの繰り返しの毎日にも変化が表れてきます。
そのきっかけとなるのが“歌”。

それぞれの登場人物にまつわるちょっとした小ネタも絡めつつ
展開される人間模様も心温まる大切な要素。

後半に進むにつれて若干クドく感じる演出に
ハリウッド的な匂いを感じるのは少し残念な点ですが
それを補ってあり余る主人公エイミーの存在感。
物語の進行と共に少しずつ見せる才能には脱帽です。

過剰な演出もミュージカルやファンタジー的な味付けとして割り切って
タイトル通り「エイミー」を見る映画として存分に楽しめると思います。

小難しいストーリー展開やメッセージもなく
比較的さらっと観ることのできる作品に仕上がっていますが
最後にはほろっとさせられる良作。

幅広くおすすめできる作品です。

※他サイトより転載(投稿日:2008/09/29)

live_at_luxor