劇場公開日 1985年11月2日

「「若くあり続けるんだ」…素晴らしい」田舎の日曜日 あま・おとさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「若くあり続けるんだ」…素晴らしい

2024年6月22日
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鑑賞方法:VOD

『田舎の日曜日』題名からして、のどかで楽しそうだった。その通りだった。しかしイメージしていたものより良い意味で渋くて洗練されていた。

田舎で静かに暮らす老画家ラドミラル。こどもたちの訪問を受ける日曜日。
久々に家族そろって寛ぐ家屋や庭の、光あふれる光景。とてもとても美しい…人も物も移り変わる。そして親子の別れもそんなに先のことではない。切ない。だからこそ、『今』が、飛び抜けてやわらく、暖かい。
気取らない描写がいい。考えてみれば、『老い』を見つめるならば気取りなんてないほうがよいのは当たり前だね。気取ったところで現実離れするだけ。

この映画はそれだけで終わらない。そこがいい。ラドミラルは自分の絵のことを気にしている。彼は皆が去った後、新しいキャンバスを取り出す。娘も自分の人生を不器用ながら率直に生きようと苦しんでいる。娘へのエールを送った。それはまた自分へのエール。

老いてなお(というか老いたからこそ)自己実現しようとする真摯さ。暗黙のうちに紡がれている親子の絆。
他人事ではなかった。考えさせられる。

あま・おと
あま・おとさんのコメント
2024年11月18日

個人的にはピタリとハマる映画です。

あま・おと
きりんさんのコメント
2024年11月18日

これも共感していた映画でしたね!

きりん