「ヴィヴィアン・リーのはまり役、物凄い見応え」アンナ・カレニナ(1948) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
ヴィヴィアン・リーのはまり役、物凄い見応え
物語の面白さ、とてつもなく考えされられる深みはもちろん言わずと知れた文豪トルストイの原作によるもの
しかし、ヴィヴィアン・リーの演技は物凄いものを見た気にさせる見応えだ
ヴィヴィアン・リー撮影当時35歳
まだまだ充分に美しい、が確かにピークは過ぎた感がでている
それでもなお男を狂わせかねない魅力を強力に持っている
まだ女は終わっていないのだ
それを主人公の役柄だけでなく、演じる彼女本人もそれを自覚しているのだ
彼女がこの歳になるのを待って撮影されたかのようですらある
さらに彼女の持つ自分勝手で我が儘な気質、気の強さが役柄に見事にマッチしており、配役の確かさで本作の成功は半分勝負あったといえるが、彼女がその製作側の期待をさらに上回る演技をしてみせているのだ
特に終盤のオペラ座での緊迫感は見事
列車と途中停車駅での演出も監督の腕の冴えも素晴らしい
このシーンは同年4月公開の映画忘れじの面影の駅での別れのシーンの繰り返しと良く似ている
駅の柵のセットまでそっくりだ
本作は1月の公開だがオマージュされたのだろうか?
セット、衣装、小道具もみな文句の付けようもない
素晴らしい名作だ
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