アンダー・ファイア

劇場公開日:1985年11月23日

解説

ニカラグアの内戦に身を投じた3人のジャーナリストの運命を描く。製作はジョナサン・タプリン、製作総指揮はエドワード・ティーツ。監督は「テラー・トレイン」のロジャー・スポティスウッド。クレイトン・フローマンの原案に基づき、フローマンとロン・シェルトンが脚色。撮影はジョン・オルコット、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当。出演はニック・ノルティ、ジーン・ハックマン、ジョアンナ・キャシディなど。

1983年製作/アメリカ
原題または英題:Under Fire
配給:コロムビア映画
劇場公開日:1985年11月23日

あらすじ

報道写真家ラッセル・プライス(ニック・ノルティ)はアフリカの内戦を取材中、戦場で傭兵のオーティス(エド・ハリス)に出会った。ラッセルとともにタイム誌の記者アレックス(ジーン・ハックマン)と放送局のレポーター、クレア(ジョアンナ・キャシディ)も取材に参加していた。79年、ニカラグアの首都マナグアで、ラッセルはアレックス、クレアと再会する。この国ではソモサ大統領(ルネ・エンリケス)の独裁に対して、サンデニスタ民族解放戦線(FSLN)が武装闘争を展開していた。クレアはソモサにインタヴューするが、彼の返答は理想論ばかりで要領を得ない。そんななか、FSLNのリーダー、ラファエル(ホルヘ・ゼペダ)の暗殺に成功したと大統領が発表した。アレックスは取材の過程でフランスの武器商人ジャージー(ジャン・ルイ・トランティニャン)と知り合い、戦場で政府軍に参加しているオーティスと再会した。ラッセルはいつしかクレアと愛し合うようになる。ラッセルはゲリラの案内で、FSLNの本部に連れられて行かれた。そこで死亡したラファエルを生きているような格好をさせて、写真を撮ってくれと頼まれる。もしラファエルが生きていれば、民衆の士気があがるというのだ。虚偽の写真を撮ることはジャーナリストとして失格ではないかと悩んだが、ラッセルは撮影を実行する。その後彼は、アレックスと一緒に行った最前線で、ゲリラの死体の山を発見。そのほとんどが、数日前に彼が本部で撮ったゲリラたちだった。さらに、道を聞こうとしたアレックスが政府軍に射殺された。ジャージーの邸宅で、ラッセルは自分の撮った写真が壁に貼ってあるのを見つける。ジャージーが政府に内通していたのだ。やがてジャージーはゲリラに殺された。FSLNの攻勢に政府軍は敗退し、ソモサ一家はアメリカに逃げ出した。勝利を祝う民衆の中に、変わり身の早いオーティスの姿もあった。

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映画レビュー

4.0 命がけのジャーナリスト魂

2025年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

驚く

1979年の内戦下の中米ニカラグアを取材するカメラマンとジャーナリストを主人公とした社会派映画。ちょうどこの頃は他にも『キリング・フィールド』(未見)とか『サルバドル 遥かなる日々』といったジャーナリストを主人公とした社会派映画が作られたが、この映画の存在は2~3年前に初めて知った。あの頃にエルサルバドル内戦と並んで米国がCIAなどを使って介入してたニカラグア内戦を描いてることに興味を持ったが、Blu-ray化のみでDVDは無いようで当然レンタルは無く、買うほどでもないし……と思ったらCSのザ・シネマで放送されたんで録画視聴した。

ニカラグア内戦は父と兄との3代に渡る独裁者ソモサ大統領と左翼革命組織サンディニスタ民族解放戦線によるもので、映画にはソモサ大統領も解放戦線も出てくるものの基本的には架空人物によるフィクションの話だが、実際に米国のテレビ局のレポーターがニカラグアの国家警備隊に射殺されて、そのニュース映像が世界中で報道された事件にヒントを得て製作されたとのこと。

冒頭からプロローグとしてアフリカのチャド内戦を取材するシーンが出てくるが(チャドもその頃内戦だったんだなあ)、わらわら出てきた象兵を爆撃機がバンバン爆撃して象さんたちがパオーンと逃げ惑うシーンに、象が暴れたりしなかったのか?と撮影が心配になるようなスケールの大きい大作っぷりを見せつけてくれる。舞台が本筋のニカラグアに移っても同様で、戦車が出てきたりとかなりの大掛かり。そんなリアルな舞台の中で描かれるのは報道するジャーナリズムの使命と矜持、そしてそれを超えた人としてのあり方だ。なんでも日本では大コケしたらしいが、まさに隠れた良作という表現通りの映画でした。面白かった。

ちなみに映画はソモサ政権が倒されてニカラグア革命が成就されるところでめでたしなんだが、実際にはその後もカーターからレーガンに代わった米国の再介入で第二次ニカラグア内戦が始まってしまうのでした。

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バラージ

3.0 日本が平和な国でつくづく良かった

2025年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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odeoonza

2.5 映画としては今一つでしたが、内戦の不気味さを感じ取れた映画です。

2020年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ニカラグア内戦を、戦場カメラマンの視点で描く物語。

ニックノルディ、ジーンハックマン共演の骨太ドラマです。CS放送のレビューには「サスペンス」の文字がありましたが、戦地での人間を描いたドラマです。
戦地カメラマンの視線から、内戦状態のニカラグアを活写。国の貧しさや、そこに生きる人々、そして生活が営まれる住宅地を軍が闊歩する異常さ等が良く表されているように感じます。特に、国軍が市街地を爆撃する様を、安全地帯のホテルから見下ろす特派員たちの描写が、個人的には衝撃的でした。
正直、面白いか面白くないか、と聞かれたら、「面白くない」と答えます。しかし、内戦状態の不気味さを上手に描いたこの映画は、非常に興味深いもので、鑑賞して良かったと思えます。

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よし