雨のしのび逢い(1960)のレビュー・感想・評価
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この作品への高い評価が理解出来ない
この映画は1961年のキネマ旬報第10位作品。
原作はマルグリット・デュラスだが、
当時の評論家はこの作品の女性像の何に
共感したのだろうか。
男は憧憬、女は倦怠感の中での出会い。
しかし、男は女の単なる退屈へのはけ口と
知って女を拒絶する。
映画世界にも不倫テーマは数多ある。
しかし、「マディソン郡の橋」や
「イングリッシュ・ペイシェント」でも
不倫の当事者には
それなりの形成された人格や覚悟がある。
しかし、この作品では、
女は幼い未発達人格者にしか見えない。
男の最後の言葉「あなた死んだ方が良い」
に続く省かれた言葉が
「あなたは余りにも幼すぎる」だった
としか思えない。
だから、子供のピアノレッスンでの
躾エピソードは、大人にも必要な人間がいる
との例えなのだろうかと考えてしまう。
この映画を評価される方は、
女への共感ではなく、
あるいは、2人の男の理性と寛容性
の側に立っての思いからなのか。
私には「人妻の心の奥底の叫び」
などという、
この作品への高い評価が理解出来ない。
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