アビスのレビュー・感想・評価
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未知との遭遇 In the Abyss. キャメロンの海洋愛に付き合わされた皆さん、お疲れ様です🌊
海底に沈んだ原子力潜水艦を調査する為に派遣されたダイバーたちを襲う危機と、未知との遭遇を描いた海洋SFアクション。
監督/脚本は『ターミネーター』『エイリアン2』の、名匠ジェームズ・キャメロン。
海底油田採掘基地「ディープコア」の作業員、バッド・ブリッグマンを演じるのは『クリープショー』『ライトスタッフ』の、名優エド・ハリス。
第62回 アカデミー賞において、視覚効果賞を受賞!
ジェームズ・キャメロンが高校時代に執筆したという短編小説を長編映画化。H・G・ウィルズの「In the Abyss(邦題:深海潜航)」(1896)には全く似ていません!
にしても、普通なら2度と見返したくもない黒歴史ノートを作品に昇華してしまうのだから、やはりキャメロンのバイタリティは凄い。
『エイリアン2』(1986)と『ターミネーター2』(1991)というSF2大巨頭の合間に公開されているということもあってか、キャメロン作品の中ではかなり知名度は低い。
興行収入は9,000万ドル程度。制作費は約4,300万ドルということなのだが、一説では7,000万ドルはかかっているとも言われている。どちらにしろ、これが常勝監督唯一の黒星であることは間違いない(『殺人魚フライングキラー』(1981)…?知らない子ですね)。
興行的に失敗しており、知名度も低い。ただ、本作は『タイタニック』(1997)や『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)、そして数多くのドキュメンタリー映画にみられるキャメロンの異常な海洋愛が爆発した最初の作品である。
“東の加山雄三、西のジェームズ・キャメロン“とも称される(?)彼の海キチっぷりは広く知られることだが、この映画では全体の40%が水中撮影シーンなのだという。
安全面、技術面、衛生面など、ただでさえ様々な苦労が伴う水中撮影。例えばジャン=ピエール・ジュネ監督の『エイリアン4』(1997)には数分程度の水中シーンがあるが、それでも長時間のトレーニングが必要だった上、キャストやスタッフは感染症でえらい目にあったのだとか。
それを考えると、本作の先っちょまでたっぷりな水中撮影がどれだけの地獄だったのかがよくわかる。実際、ヒロインを演じたメアリー・エリザベス・マストラントニオは現場でキャメロンと激しいバトルを繰り広げ、主演のエド・ハリスは「あの映画のことは思い出したくないし、今後も話すことは一切ない」と公言している。それだけの苦労に耐え忍んだにも拘らず、興行的コケてしまうとはなんと残酷な…。何にせよキャメロンの偏執に付き合ったキャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でございます。
ただ、その水中撮影が唯一無二の迫力をもたらしていることは事実。
本作は言ってしまえばありがちな宇宙SFパニックを海に置き換えただけではあるのだが、宇宙空間よりも身近な分、より登場人物の覚える閉塞感や息苦しさ、温度を想像しやすい。海水が流れ込んで来る恐怖、そしてその冷たさが我がことのように脳に刻み込まれるのである。海の映画であるが、夏ではなく冬に、しかもキンキンに冷えた部屋で観ることをオススメする。マジでエド・ハリスの気持ちになれまっせ🥶
そして、何か潜んでいてもおかしくない望洋とした深海は恐ろしくも神秘的であり、E.T.くんたちのピカピカした光が美しく映える。この様な映像を見せられれば、キャメロンが海に魅了される理由も何となくわかるというものである。
80年代とは思えぬ水人間のCGは画期的で、それが『ターミネーター2』のT-1000へと繋がってゆく訳だが、それよりも圧倒的なブツとしての“水“。CG全盛の時代にこの映画が作られていたら撮影はもっと楽だったのだろうが、それではこのサスペンスを生み出すことは出来なかっただろう。やはりリアルな質量はCGを超えるのだ。
映像面は言うこと無し。ストーリーも意外なツイストが多くて楽しめたし、「疑心暗鬼が戦争を呼ぶ」という政治的なメッセージも核心を突いていたと思う。ところどころ「水圧ナメんなっっ!」と突っ込みたくなるが、まぁそれは海のような広い心で受け止めましょう。さすが、娯楽映画の王道を往くエピックな大作である。
……ただ、本作でもやはりキャメロンの悪癖は炸裂している。とにかく無駄に長いのだっ…。
悪役であるコフィ大尉は水圧により爆散し、心肺停止になったヒロインはクルーの献身により何とか息を吹き返す。はい、ハッピーエンド〜😊…でいいじゃん。その後の原爆解体シークエンス要る!?そりゃ最後に海底人のUFOを出したいというのはわかるし、そのキャメロンのサービス精神は買うが、要素が多すぎて渋滞しとる。
基本的には海底基地という閉鎖空間だけで展開する映画で140分っつーのは流石に長すぎ。ヒロインの心臓マッサージシーンとか尺取りすぎててほぼギャグみたいになってたし、なんか全体的にダラダラしてるのはランタイムを引き延ばす為だったのだろうか?普通にやれば120分以内に収めるのは余裕だったと思うんだけど。
キャメロンよ、映画は長けりゃ良いってもんではないぞ!!
※本作は“東の『子猫物語』(1986)、西の『アビス』“と称される(?)動物虐待映画でもある。あのネズミ水没シーンのため、イギリスでは4Kリマスター版のディスクはリリースされておらず、ディズニープラスからも削除されてしまっている。
「あの撮影で使われたハツカネズミたちはみんな無事です!あの後スタッフのペットになりました!」と公式は発表しているらしいが、絶対ウソだろそれっ!!
息苦しい
水の中で息が出来る液体にネズミを入れたり、
バッドが潜水服の中に入れるシーンは
観ていて息苦しくなりました。
まさかの津波逆行でしたね。
バッドが命を懸けて、核弾頭を海底に沈めに行く動機付けが弱いような・・・
設定も物語の詰めもまだ甘い
総合:55点
ストーリー: 35
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 65
台風で海上施設のクレーンが壊れて、海中の施設が破壊されていくところの場面などは緊迫感があった。浸水が続いたり火災が発生したりして、どうやって生き残っていくのだろうかと緊張して見守った。施設のセットなどもそれなりによくできていて、キャメロン監督はそのようなアクション的な場面の良さは「ターミネーター」で既に実証済み。ここが一番の見せ場であったように思う。
だが施設の事故と軍隊との対立との話だけで十分だったのではないか。さんざん施設の事故と任務の部分に2時間以上を長々と使った後で、最後のほうで知的生命体との遭遇と人類の愚かさを考えるとか、ここでさらに必要だったのだろうか。焦点絞って事故と脱出のパニックものにするか、あるいは最初から知的生命体との出会いを中心にしたほうがわかりやすいのではないかと思った。
そしてこの生命体、これだけの力を持ちながら今までいったい何をしていたのだろう、なぜ今になって急に出てきたのか、核戦争も核実験も過去に既にあったのに、そのときは何もせずになぜ今回だけは300メートルの津波なのかとか、そのせいで少なくとも沖合にいた船は全部沈んだろうなとか、突っ込みどころに事欠かない。
設定もおかしい。潜水艦が沈んでいたのは深度600メートル。そんなところに救出に行けば水温も低いだろうし、映画の中で言っていた2-3度だと普通人間ならば一分も生きられないだろうし、何よりまず水圧に潰されるはず。深海魚じゃあるまいし、軍人たちを制圧するときにそこを平気で潜水器具もつけずに泳いでいるのがかなり不自然。器具をつけたとしても、数千メートル潜っていくなんてありえない。このあたりは無理がありすぎを通り越して馬鹿丸出し。
脚本はキャメロンが高校時代に書いた作品を基に書き直したものだそうだ。だが設定にしろ本筋にしろご都合主義の結末にしろ、やはり所詮は高校生が考える程度のものでしかないと感じた。脚本が悪すぎて作品を駄目にしているのがもったいない。
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