アガサ 愛の失踪事件のレビュー・感想・評価

愛することより愛されることの難しさを感じた。映画全体に漂う英国風ミステリアスの雰囲気が心地良い。当時の保養地の様子も面白かった。

総合：65点
ストーリー： 60
キャスト： 70
演出： 70
ビジュアル： 70
音楽： 60

　アガサ・クリスティが暫く失踪したのは事実らしいが、それを基に創作された物語であり事実かどうかはわからない。だから何故自動車をほったらかしにして、いかにもの状況を作り出した上での失踪なのかというのは解き明かされることはない。真相はその後も明らかにされることはなかったようなので、やはり完全なフィクションとして見て置くのが無難。

　しかし内容としては基本的に夫婦関係のもつれであるので、特別変わった内容というわけではない。アガサ・クリスティという登場人物に合わせて少々ミステリー的物語なことはやってはいるのだが、本格的なミステリーにはほど遠い。
　結局アガサ・クリスティの作品ではなく、アガサ・クリスティという推理作家本人に興味がある人でないと、物語を楽しむことは出来ないように思った。けっこう豪華な俳優も出ているので、それらのファンであるとかこの時代を感じたいというのならばいいかも。特別彼女のファンではない私には少々退屈に感じられました。点数は物語よりも雰囲気やセットへの評価が大きいです。