「ラテン文化のおおらかさとアバウトさ」赤い薔薇ソースの伝説 sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
ラテン文化のおおらかさとアバウトさ
公開時に見逃していて、ずっと気になっていたのですが、今回初めて劇場で観ることが出来ました。
メキシコのある旧家の年代記。「ゼロ・グラビティ」のエマニュエル・ルベツキによる美しいカメラ、洒落た衣装、そしてトルティーヤをはじめとするメキシコ料理の数々。
登場人物も旧習にこだわる母親、革命家闘士の長姉、心優しい医師などキャラがたっているひと達ばかりですこぶる面白い。
ただ、物語のテンポが早すぎて、感情移入をする暇がありませんでした。また作品のテーマも母子の確執、姉妹間のどろどろ、死者との交流、情熱的な愛と無償の愛などてんこ盛りで、全体としてやや散漫になった感があります。
料理人の気持ちがのっているかどうかで、味が変わってくる。料理は創造的な愛情表現であることがよく分かりました。隠し味で食べた人々の感情が揺さぶられる描写は、とても良かったです。
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