愛情物語(1955)のレビュー・感想・評価
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この邦題は、いいかも
一言「ピアノって、本当にいいなあ」。
前半はピアニストとして成り上がっていく様。
後半は家庭人・父親像も織り込みながらの展開。
最初はちょっと単調で、サクッと成功してるなあ。
と少々盛り上がらなかったのですが。
後半出産で愛妻を亡くし、残った息子との接し方がわからず。
不器用な父親の話になってから、感情移入しやすくなりました。
途中戦争を挟み、「ピアノで戦地を慰問したくない」と言いながらも。
戦地に残されたピアノを見て、現地の子供と一緒に連弾するシーン。
音楽には年齢も国境も、ないんだな。
中盤以降息子と少しずつ歩み寄っていく手段も、やはりピアノ。
個人的には、ピアノっていろんな音楽の原点な気もします。
だからこそ、親子の絆を取り戻す手段にピアノっていうのが👍。
ピアノは弾けないけど、その音色が大好きです。
全編に流れるピアノ曲やバンドの音楽に、心が癒されました。
ラストの「To Love Again」。ほろっときちゃった。
終わり方も粋でした。
老けてるタイロン・パワー
名ピアニスト、エディ・デューチン(タイロン・パワー)のデビューから亡くなるまでを描いた半生記。
ニューヨークで応援してくれたマージョリイ(キム・ノヴァク)と結婚、息子が生まれる。
しかし妻が病没、エディは息子を叔父に預け、海軍に入る。
タイロン・パワーは40歳ぐらいだと思うが、とても老けて見える。
ピアノは最高。
音楽はいい
抗がん剤治療で入院中に鑑賞。
眠くて途中まで寝ていたので、肝心のキム・ノヴァクを見逃してしまい残念!
戦場での小さな現地の男の子との連弾、このシーンはちょうど観られてよかった!
昔、娘の吹奏楽部の先生の師がわざわざ教えに来て下さった時、“どこの国へ行っても、楽器ができれば、言葉が通じなくても通じ合うことができる。音楽はいいよ”と仰っていたことを思い出した。
自分は楽器も歌もからきしダメなので、羨ましい話。
ストーリーとしてはそんなに…なのかも知れないけれど、音楽がそれを補って余りある、とても余韻を残す映画だったと思う。
『愛情物語』という邦題は、親子の愛情、血が繋がっていなくても一緒に暮らす家族としての愛情等々、考えれば悪くないタイトルなのではとも思う。
ピーターの「僕がチキータを守る」の言葉は、またそれを何よりも表しているのでは。
血縁があってもなくても、愛情をかけて見守り育てれば、自ずとそれは通じ、愛情でもって応えてくれるのだろう…。
ピアノとアメリカ人
小学生の時に、父親が家族全員連れて見に行った映画です。もっと前は、西遊記とか白蛇伝などの漫画(アニメ)映画でした。だから、アメリカ人が出ているこの映画は大人っぽい映画の最初だったかも知れません。
こういうあまーい顔の男性が世の中にいるのか!が一番のびっくりでした。タイロン・パワーの顔です。それが一番の大きな記憶です。
ピアノも素敵だったかな?でもピアノのお稽古を呪っていた時期だったので、記憶にない!
エディ・デューチンの美化された半生だが、事実より人間のこころの真実に触れたハリウッド映画
1951年に急性骨髄性白血病により41歳で亡くなったピアニスト、エディ・デューチンの半生を描いた、日本語タイトル通りの切なくも美しい愛情物語。デューチン率いるオーケストラの演奏場面も多く、音楽映画としての魅力も充分あるが、主軸は妻オルリックスと息子ピーターに寄せる愛情をきめ細やかなタッチと暗示的な台詞で綺麗に纏めた人間ドラマの創作が特徴だ。実際のデューチン楽団には女性ボーカルが加わっていたというし、後に父と同じくピアニストになったピーターの証言にも、事実とはかけ離れた映画のストーリーと指摘があり、これは1950年代のハリウッド映画の様式に沿った美化されたドラマになっている。今日のリアリティ追求とは創作の意図が全く違う。例えば、ワズワース夫妻主催のパーティーに招待された理由がピアノ演奏と判って、社交界デビューに胸躍らせていた身の程を知り落胆するデューチンをオルリックスが慰めるところから、セントラルパークでデートを重ねる流れ。雨の中のふたりだけのシーンがとてもロマンチックで、特に逆光でシルエットが印象的な噴水のシーンがいい。順調に交際が進んでいるのを、次のシーンでデューチンの華麗なピアノ演奏の楽しさで表現している。結婚後のデューチン楽団誕生の喜びを妻と共有するシーンの演奏場面も素晴らしい。その他殆どのピアノ演奏は、デューチンの喜び哀しみのこころの表現の為に効果的に使用されている。また、海軍に入隊して前線で戦うデューチンには、二重の意味でこころが亡くなっていて、上官の慰問の打診を断るのだが、その転機になるミンダナオ島での廃墟の中で現地の子どもと連弾する場面は意味深である。彼のこころの姿が、焼けて中がむき出しになったピアノであり、そんなピアノだから思わず弾いてしまう共振であり、その子供の無垢さに気付かされてこころが再生するところが自然だ。後半のイギリス女性チキータから叱責を受け、漸く息子ピーターとの溝がなくなり、新楽団と子供たちが共演するシーンは無邪気に楽しい。続くホテルの演奏会のクライマックスが素晴らしい。ショパンのノクターンから編曲された主題曲”To Love Again”から始まり、ショーアップされた名シーンだ。台所から川沿いの歩道に移動するデューチンとチキータの告白の場面、両親の想い出のセントラル・パーク カジノの跡地である公園のエディ親子の場面と、屋外のカメラワークはマンハッタンの背景を上手く構図に収め、人物のこころに同調した画面作りをしている。そしてラストシーンの何ときれいな終わり方だろう。45年前の鑑賞でも、最も印象深いカットだった。
主演のタイロン・パワーは、「長い灰色の線」「情婦」に並ぶ代表作で、キム・ノヴァクは、「ピクニック」「めまい」に次ぐ存在感。実演ではなくとも、パワーの指使いの動きは見事につきる。ヴィクトリア・ショウはこの作品しか知らないが好演。そして、ピーター役のレックス・トンプソンと5歳の子役もいい。脚本、演出、演技、音楽のトータルで綺麗にまとまった佳作。
禍福は糾える縄の如し
NHKのBS放送を録画して鑑賞。
作品全体へは印象が薄かったためか、
初作品と思い鑑賞し始め、
ラスト間際まで気が付かなかったのですが、
ラストの親子のピアノ連弾場面が
主人公の死後に転換する印象的なシーンで
かつて観た映画と気が付いた。
この映画を一言で表現したら、
別のサイトに投稿されていらっしゃった方の
「禍福は糾える(あがなえる)縄の如し」
という言葉が正に相応しいと思いながらも、
この言葉は初めて知った次第。
人生には、この言葉のように
様々な喜びや悲しみが交互に繰り返し
人々に訪れ、
それが各人それぞれに運命づけられている
かと思うと複雑な気持になるが、
作品の出来そのものは別にして、
そんな人生の綾を考えさせる映画
だと思う。
素晴らしき音楽と人生
タイロンパワー扮するエディデューチンは、新たにライスマン楽団にピアニストとして誘われて入るつもりで来たが、ライスマンには入れる意思が無かった。しょうがなくエディがピアノを弾いていたらキムノヴァク扮するマージョリーオーレックスが口をきいてくれて楽団員になれた。エディは、だんだん実力をつけていきマージョリーと結婚した。しかし、マージョリーは風を嫌っていた。エディが飛ばされてしまう様に思えたのだった。エディは、エディデューチン楽団を作り世界を回る事を計画していたが、マージョリーは健康を害していた。エディは、マージョリーを亡くしてから息子ピーターとの関係に悩みヴィクトリアショー扮するチキータにピーターを委ねた。
愛情物語を観るのは5回目かな。史上5番の指に入る名作だ。ついついあらすじを追ってしまうが、まずはマージョリー役のキムノヴァクが素敵だね。エディはマージョリーによって世に導かれた恩人であり愛する妻で、亡くなってしまうのはショックだよね。産まれた息子まで遠ざけてしまったくらいだからな。
海軍に入隊しても前線に身を置いたエディだが、終戦を迎えエディは息子と向き合う様になった。それにしてもエディは女性運が良いね。ヴィクトリアショウ扮する息子の理解者英国人チキータウィンと知り合い、平気でエディを正面から非難し紆余曲折はあったもののさらには未来が無くとも家庭を持つ事になった。ヴィクトリアショーも毅然とした美人で素晴らしかったな。余韻が残るラストシーンもタイロンパワーのピアノ演奏も見事だったし、音楽にも愛情にも溢れた傑作だったね。
【一人の”幸せを紡ぐ”ピアノ弾きの男の幸福と失意を繰り返すジェットコースター人生を気品高く描き出した作品。作品の随所で奏でられるピアノ曲がその気品を醸し出している作品でもある。】
1.ピアニスト、エディ・デューチン(タイロン・パワー)オーケストラの指揮者ライスマンを訪れる。彼の思い込みでライスマンの楽団に入れると思ったから・・。が、そんなにことは上手く進まないと思ったら・・。
2.エディが失意の中、ショパンのノクターンを弾いていると、その調べに惹かれた令嬢、マージョリイ・オルリックス(キム・ノヴァク)が、ライスマンに掛け合い彼はピアノを演奏する。
3.とともに、エディとマージョリイは恋仲になり、結婚。
―凄いスピードで、物語は急上昇で進む。-
4.が、マージョリイはピーターを生んだ後、息をひきとる。エディは失意の中、愛息子を叔父夫婦にあずけ、妻を忘れようとするように、演奏旅行に出かける。
そして、デューチンは海軍に入るが、演奏を含めた慰問活動は全て断る。だが、終戦時、敗戦国(日本か?)で浮浪児らしき子とピアノを弾き、演奏の楽しさを思い出す。
そして、久しぶりに叔父夫婦に預けたままだった10歳になったピーターと再会するが、二人の態度はぎこちない・・。
ー幼子の時から会っていないのだから、当然である。-
5.ピーターは、父とはぎこちなかったが、英国の美しい娘チキータ(ヴィクトリア・ショウ)になついていた。そして、徐々にエディも彼女に愛情を感じて行く。
ある日、エディはピアノの演奏中左手がしびれ、演奏が出来なくなる。彼は病に侵されていた。彼は、チキータとの結婚を躊躇うが、彼女は承諾する。
そして、エディとピーターとチキータはつかの間の幸せな生活を送る。
しかし、徐々にその時は迫っていて・・。
<ラストのエディとピーターがピアノを2台向かい合わせにした(ピーターのピアノとチキータのピアノ)状態での連弾シーンは印象的である。
二人で弾いている筈のピアノが引きのカットで、手前のエディが映っていないシーン・・。
一人の”幸せを紡ぐ”ピアノを弾く男の、ジェットコースター人生を気品高く描いた作品である。>
超有名な名曲を聴くだけも値打ちがある
冒頭初め何度も劇中で演奏される誰もが知る名曲の名は「トゥー・ラブ・アゲイン」
ショパンのノクターン第2番のアレンジです
劇中のピアノ演奏は、これも誰もが名を知るピアノの名手カーメン・キャバレロによるもの
キム・ノヴァクは前半しか登場しませんが、正に大輪の華、美女中の美女そのもの
後半のヒロインのチキータ役ヴィクトリア・ショウがまたキム・ノヴァクに雰囲気が良く似ています
良く良く見ると顔が全く違うのですが似てるのです
似た女優を探して来たのでしょうが、堂々として
キム・ノヴァクに負けてない名演でした
お涙頂戴映画だと斜めに構えず、素直にハンカチを握り締めて観て頂きたいと思います
男女間の愛だけでなく、父と子の愛もどちらかといえばこちらが主題として大きく描かれます
そしてエディの老いた父母なども含め、彼を取り巻く人々との愛情物語でもあります
心洗われる一時を貴方にもたらしてくれるはずです
美しい調べにのせた胸を打つストーリー。情緒的なニューヨークの街並み...
美しい調べにのせた胸を打つストーリー。情緒的なニューヨークの街並みも見事に溶け合っている。
伝記映画なのでより一層真実味があり、感動的。素晴らしい名作だった。
やや綺麗に描きすぎだが
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 60
ビジュアル: 75
音楽: 85
才能があり成功しながらも不幸に見舞われ、純粋ゆえに苦悩する主人公。話を盛り上げるために主人公や物語を綺麗に描きすぎているような感じは多少は受ける。この時代はとにかく完全に善良な主人公の登場が求められたのかもしれない。でもそれほど悪い映画ではないのは、真実を基にした話だからか。
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