劇場公開日 2005年4月23日

「だいたいに日本の男たちが饒舌になったのはいつからだろう。 「男は黙...」村の写真集 ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0だいたいに日本の男たちが饒舌になったのはいつからだろう。 「男は黙...

2020年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

だいたいに日本の男たちが饒舌になったのはいつからだろう。
「男は黙って」というTVCMはもはや昔語りとなり、無口な男は「何を考えてるのか分からない」「キモイ」と、いまや散々な扱われ方である。

オヤジ達よ、いまさら女子供におべんちゃらを使うのはやめよう。『鉄道員(ぽっぽや)』の高倉健のごとく、『さびしんぼう』の小林稔侍のごとく、そして本作の藤竜也のごとく、背中に語らせるような生き方をしようではないか。

ここに描かれている父親と息子の確執は、解らない人には「そんなもんかな」程度であろうが、じっさい息子でもあり父親でもある身なのでダブルで感情移入してしまった。

写真を撮るたびに感謝の言葉を述べる父親の姿が、自分の父親と重なって見え、何か大切なものを教えてもらったような気もするのである。

それにしても、泣ける作品であった。DVDで泣いたのは久しぶりである。
まあ山村の美しい風景が出てきただけでもうじわっと来てしまうのは、われわれ世代のオヤジどもの性癖なのではあろうけれども。

また、最後に原田知世が登場するシーンでは、何故か解らないままに涙がこぼれてしまった。私には女きょうだいもいないし、また娘がいるわけでもなく、孫などはずっとまだ先のことであるというのに。

そんなわけで、お薦めである。

ROKUx