「憎む心が戦争を起こす」機関車先生(2004) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
憎む心が戦争を起こす
7人の生徒しかいない小学校。校長先生の初恋の女性の息子である吉岡先生。剣道の試合で口がきけなくなった彼は、教職の道の最後の可能性をかけて赴任してきたのだ。
村人たちが「口のきけない先生に授業なんかできるか!」と強制的に授業参観をし、先生は村に伝わる「イブンの物語」を子どもたちに聞かせる。台風がきたある日、生徒の修平の父が無理に漁に出て行方不明となる。
『二十四の瞳』のテイストによって、しっかりと反戦メッセージも伝えてくれるのですが、ストーリーそのものが唐突すぎる展開や剣道の試合という直球勝負の物語。伏線も上手く生かしているとは言えず、強引に島を去る教師へと繋げている。テーマが障害者による教育と反戦というものに絞れば、もっといい作品に仕上がるのではないでしょうか。一番残念だったのは、堺正章の娘として養護学校の学校の女性教師として登場する佐藤匡美の存在。島に引き止めるには結婚させればいいというサブストーリーが台無しになっているように思われた。そして、「憎む心が戦争を起こす」という重要なサブテーマが剣道の試合でしっかりと覆されてしまっていること…ケンカを売られたシーンで耐えているところは良かったけど。
それでもラストのシークエンスにおける子どもたちの演技力は素晴らしかった。
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