「セラピードッグ協会の啓蒙映画?」犬と歩けば チロリとタムラ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
セラピードッグ協会の啓蒙映画?
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捨て犬と恋人に捨てられたフリーターが出会い、お互い捨てられたもの同士、同病相哀れむではないが不思議な絆が芽生え、支え合って成長、セラピードッグとトレーナーになるまでを描いた映画。愛犬家向けと言うよりはセラピードッグ協会の啓蒙映画のような硬さをを感じます。
冒頭の女性が車で犬を丘に捨てに来るシーンから胸が痛む、主人公の頼りなさは田中直樹のキャラも相まって良く分かるが、一方的に愛想尽かしをする女性もやたら薄情に映って切ない限り。
親の看病の為に愛しているが泣く泣く別れを告げるという演出なら後半への希望があったのだろうが演出が雑過ぎて薄情さしか伝わらないのが難ですね。
犬の身になってみれば飼う人次第で天国と地獄、盲導犬や救助犬、セラピードッグ等々、働く犬の健気さはリスペクトに値するが、とうの犬にしてみれば人間の身勝手の一つに過ぎないと思っているかも知れませんね、従順で健気な犬の様子を見ているだけで胸に熱いものがこみ上げます。
タムラを演じた犬の名はピース、実際の人気セラピードッグだそうです、柴の雑種で当時一歳半、福岡の平和台球場近くの公園で放浪していて餓死寸前だったところを保護されたことからピースと名付けられたそうです。まさにこの映画はピースの物語だったのですね。
それに比べて恥ずかしくなるような登場人物たちばかり、人間ドラマの方をもう少し爽やかに描いて欲しかった。
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