「ロストテクノロジー、ロストクオリティ」バンパイアハンターD(2001) 加藤プリンさんの映画レビュー(感想・評価)
ロストテクノロジー、ロストクオリティ
タイトルの通り、素晴らしい作品ですが、もう現代では作れなくなっている名作ですね
原作は2−3冊しか読んでおらず、しかもほとんど記憶にない状態で鑑賞
いやあ素晴らしい世界観を映像化していますね
D、天野喜孝デザインがぬるぬる動いてくれますしね
昔懐かしい80年代OVAの頃を思い出すキャラデザ、当時は大人向けのアニメというと
こんな雰囲気でしたねFFSとか、アルスラーン戦記とかもありましたね
対バンパイア用の重戦車、異能者の戦闘集団のプロっぽさ、貴族の休憩所、砂マンタの群、
かつての高速道路が砂漠に突き立っているビジュアル、異世界の異形者集団バルバロイのビジュアル
街での馬屋の主人エピソードもとても良い展開ですね、ヴァンピールが長寿である事からこそ生まれるドラマ
Dの背負うもの、その哀しみ
ラストは追っていたバンパイアと依頼された令嬢の熱愛が、D自身の父親と母親に重なるシナリオ
そしてあの時代、オネアミスだろうがなんだろうが、ロケットを飛ばすこと自体がSFであり
設定上の、演出上の大きな意義となっているのですね
この時代に改めて見ることにとても意味を感じました
新たな視点ですね
ラストシーンもグッとくる、ヴァンピールとしての物語の締め括りにとても良いところで終わります
ただ、エンドロールのタイアップ曲はいただけませんね
物語の余韻を吹き飛ばして、う〜んという気持ちにさせてくれます
これ、アーティストにとってもマイナスイメージで、商業主義の良くないところですよね
よほど大口のスポンサーだったのか、仕方ないけれどね
現代の、CGアニメにはない、手書き故の良さと、映像美、劇判音楽も含め、トータルで素晴らしいクオリティです
好き嫌いはあるかもしれませんが、一度観て頂きたい作品です