惑星大戦争 THE WAR IN SPACEのレビュー・感想・評価
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0148 浅野ゆう子はそのつもりで出演させたんか?
1977年公開
名特撮プロデューサー田中友幸
「中野君、スターウォーズに先駆けてつくれんか?」
中野特撮監督「なんですか?それ」
田中友幸「一緒に試写見よう」
中野特撮監督「これなら撮れる。」
田中友幸「正月映画まで2カ月やけど行ける?」
中野特撮監督「オケ」
拙速もいいところだが、ヘルファイターの攻撃場面は
それなりに迫力も。
出演者も池辺良は重厚だが森田健作、沖雅也は
本人たちも照れ臭くなかったのかなあ。
津島利章のテーマ曲は好きです。
後日中野氏「こんな(製作時間短い中での)作り方
してるから特撮ってだめなんだよな」
60点
初鑑賞 1977年12月21日 梅田劇場
パンフ購入
あーそういや、いつも連れ立ってくれる奴は
これは勘弁してくれ、と断られ一人で行ったなあ。
宇宙防衛艦轟天
DVDで鑑賞。
当時アメリカで爆発的なヒットを記録していた「スター・ウォーズ」を迎え撃つべく、日本映画も負けじと各映画会社が便乗作を製作した。その内のひとつが本作だ。その出来とは、もうちょっと頑張って欲しかったと云うのが正直な感想だ。
粗の目立つ脚本やキャスト陣の棒演技に冷や汗が出そうだった。池部良の貫禄で辛うじてバランスが保たれていた。
後半になると頭を抱えたくなる展開の連続である。特に敵の恒星ヨミ第三惑星人がお粗末過ぎやしないかな、と…
人質に船内構造やスイッチの仕組みを見られてしまう。牢屋を開錠するスイッチ何故かが室内にある。強そうな見た目の獣人がナイフのひと刺しで呆気無く死ぬ。そもそも浅野ゆう子を監禁しておく必要性が無くなったのに殺しもせず、セクシー衣装を着せたままにしておいたのが最大のとんちんかんだ。
この天然っぷりには既視感がある。もしかして恒星ヨミ第三惑星人って、ブラックホール第三惑星人となんらかの繋がりがあるのではないかと、アホな勘繰りをしたくなった。
当時の東宝特撮は「日本沈没」などのパニック映画路線を除いて全て低予算・少日数での製作体制が敷かれている状況で、本作もご多分に漏れず、急ピッチで製作されている。
対抗馬の「スター・ウォーズ」も低予算で製作されたことは有名だが、日本とハリウッドでは「低予算」の予算規模は雲泥の差であり、端から勝ち目は無かったのだろう。
宇宙描写も轟天が飛行するシーンも、本作の18年前につくられた「宇宙大戦争」と同じレベル。しかし轟天と大魔艦の戦闘には手に汗握り、残念な感情を払拭してくれた。
「宇宙戦艦ヤマト」の影響を諸に受けているのは致し方無いとしても、スピード感の溢れる戦闘描写は、これまで培われて来た操演技術の集大成を観たようで、感無量だった。
轟天や大魔艦の造形も低予算ながらカッコいい。ザ・宇宙戦艦なフォルムの轟天とローマ船のような大魔艦との違いも楽しく、魅力のひとつであることは間違い無い。
福田純監督が後に、「時間があればもう少し面白いものになった」と回顧されているように、低予算・急ピッチが仇となったのは確実。本作が好きだと云う庵野秀明に「シン・惑星大戦争」としてリブートして欲しいなと思う。
[余談]
津島利章の劇伴が最高過ぎる。「仁義なき戦い」の時とは違う軽快なスコアが本作を大いに盛り上げていた。轟天と大魔艦の戦いのシーンで流れていた「激突!轟天対大魔艦」は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」におけるヴンダーの最終決戦で効果的に使用されていたことが記憶に新しい。
[以降の鑑賞記録]
2024/08/13:Amazon Prime Video(東宝名画座)
※修正(2024/08/13)
スター・ウォーズという黒船来航で、日本の特撮の文明開花がここから始まったのかも知れません
もう、嫌な思い出しかない
トラウマレベル
黒歴史
そのような映画のひとつでした
だから観るのは本当に久方ぶりでした
メチャクチャに、それこそ糞味噌にけなす事になると思っていました
するとどうだろう?
案外にマシだったのです
確かに素晴らしいとか、海外に誇れるとかそんなものではありません
でもゴジラ対メガロのような、論評にも値しないような空疎なものではなかったということです
そこまで酷くは無かったのです
東宝特撮の系譜に連なる正統なSF作品だったということに気づかされたのです
東宝特撮は、大きく分けて三つあります
ひとつは怪獣映画、二つ目は怪人映画、三つ目はSF映画
本作はもちろんこの東宝特撮のSF映画の系譜に直線で繋がっている正統なる後継作品なのです
1957年、地球防衛軍
1959年、宇宙大戦争
1962年、妖星ゴラス
1969年、緯度0大作戦
1977年、惑星大戦争(本作)
世界観、雰囲気、役者、表現手法すべて継承されています
本作だけが劣るとか、飛び抜けて悪いとかいうことはなく、過去からの伝統、流れといったものが総て直線として延長された先にある作品なのです
1977年に東宝特撮がSFものを撮ったならば、当然このような作品になるのは間違いないのです
だから、本作をけなしては駄目なのです
当時の日本の特撮レベルはこうであったという現実を直視しなければならないのです
その現実の制約の中で当時の特撮部隊は懸命に自分たちのやれるベストを作品にしたのです
それが今回分かりました
1977年5月米国で「スター・ウォーズ」公開
空前の大ヒットになります
同年11月米国で「未知との遭遇」公開
これもまた大ヒット
どちらも日本では翌年1978年の公開になります
少し日本公開まで間があいたのは、上映館を出来るだけ多くすることと、公開時期を春休みや夏休みに合わせることで動員を最大限に増やす為と思われます
またグッズ展開の時間を稼ぐ意味もこの頃にはそろそろあったように思います
日本でも同年8月「劇場版宇宙戦艦ヤマト」が、誰も予想しないような空前の大ヒットしました
当時東急渋谷駅の辺りにあった東急文化会館の地下の東急レックスから、行列が建物からはみ出て、宮益坂の上の方まで伸びていた光景は忘れもしません
つまり史上空前のSFブームが世界中に巻き起こったのです!
この状況を受けて、1977年の秋には日本の映画会社も宇宙SF映画の製作を2社が決定します
東宝は「惑星大戦争」(本作)を1977年12月公開で
東映は「宇宙からのメッセージ」1978年4月公開で
両者とも本命のスター・ウォーズ公開前に、出来るだけ稼ごうと大急ぎで企画して撮影したことがよく分かります
テレビ番組でも東映は1978年4月から「スターウルフ」を放映しています
これは原作がエドモンド・ハミルトンの由緒正しいスペースオペラです
ちなみにその他の映画会社はどうだったかというと
松竹は寅さんと黄色いハンカチでお腹一杯、ギララでもう懲り懲りなのかSF映画には参戦せず
角川は人間の証明、野生の証明でお腹一杯で参戦せず
という状況です
大映はすでに倒産しており、この時点ではそれどころではありませんでした
しかし1980年に、二周りほど回周遅れで「宇宙怪獣ガメラ」を徳間傘下で公開します
ガメラの映画ですがスター・ウォーズのスターデストロイヤーのそのまんまの宇宙戦艦を登場させています
当時のことですから、スター・ウォーズを日本公開前に観るのはなかなか大変だったと思います
断片的に伝わってくる映画内容、スチール写真、予告編といったものしか無いのです
そんな中で本作はバタバタで企画し撮影されたのです
幕末の頃のように、黒船を初めて見て腰を抜かして見よう見真似で似たようなものを作る
そんな感じでしょう
だから今まで作ってきたようにしか作れないのです
だから海底軍艦、マイティジヤック、地球防衛軍のアルファ号、ベータ号、緯度ゼロ大作戦のアルファー号、宇宙戦艦ヤマトなどがかき混ぜられているのです
特撮自体はセンスも技術も
古いものの、近代化は少しづつ進んでいることは感じられます
特撮の文明開花だったのです
洋装化した幕末の新政府軍みたいな感じです
まだちょんまげしてる案配です
それでも本作こそは、平成ゴジラ、ミレニアムゴジラへ続く、特撮の文明開花の出発点であるのかも知れません
特撮の尊皇攘夷なんか土台無理なのです
蛇足
ラストのドリルのミサイルは、ヤマトのドリルミサイルそのもの、轟天号の制服や艦橋セットも同様にヤマト由来なのは明らかです
それ以外に今回改めて気づいたことを以下列記します
宇宙帽の形状が2001年宇宙の旅のものとソックリであること
しかもオレンジ色!
轟天号の後部噴射口のケーシングの形状が六角形で、これも2001年宇宙の旅のディスカバリー号に影響されていること
艦載機のスペースファイターの射出機構がリボルバー式でした
宇宙戦艦ヤマト2199のコスモタイガーの射出機構もリボルバー式であり、その由来は本作ではなかったのかという驚きがありました
何もかも否定されるような映画では決してありません
日本で当時『SW』を作ったら、こんなのになりました…
東宝特撮1977年の作品。
ズバリ、『スター・ウォーズ』便乗企画。
タイトルは『SW』の邦題の予定だったが、原題のままとなり、ひょっとしたら『惑星大戦争 帝国の逆襲』とか『惑星大戦争 フォースの覚醒』ってなっていたかも…?
1988年、地球は遠い銀河の彼方から来たヨミ惑星人の侵略を受ける。
地球存亡の唯一の希望。それは…
宇宙戦艦“轟天”!
東宝特撮1963年の名作『海底軍艦』に登場した、東宝メカニック不滅の人気を誇る“轟天号”が、宇宙戦艦として装いも新たに復活!
頭部の巨大ドリルなどデザインは元の轟天号をベースにしつつ、よりSFチックなデザインになっている。
そんな轟天と敵の母艦“大魔艦”のクライマックス・バトル、スペース・ファイターと敵のヘル・ファイターのドッグファイト、主人公たちと敵異星人の戦い…。
王道的展開で特撮の見せ場もたっぷり織り込んだ、本格和製スペース・オペラとなっている。
…のだが、
果たして製作側は、ちゃんと『SW』を見たのだろうか?
触発や対抗意識はあったのだろうか?
それ以前に、やる気はあったのだろうか…?
だって、話は完全に『宇宙戦艦ヤマト』もしくは『海底軍艦』の宇宙版。
『SW』便乗作品と言うより、一大SFブームを受けて、よし、ウチ(東宝)でもSF映画を作ろう!…という企画だったのだろう。
しかし、東宝はかつて特撮SFの名篇を多く世に送り出したというのに、これは…。
『ヤマト』やかつての東宝特撮SFはそれぞれの面白味があるのに、本作は新味ナシの何処かで見た話の寄せ集め。
50~60年代は良くても、一応時代が進んだ70年代にこんな変わらぬ少年漫画的な話じゃ…。
ツッコミ所やチープさはご想像の通り。
開幕、いきなりミニチュア感丸出しの大魔艦にはドン引いてしまった。
ステレオタイプのキャラ設定ややる気の無さそうな演技。
セット感丸出しの秘密基地、轟天内、敵の本拠地がある金星や敵基地…とても高度な文明を感じられない。
ローマ帝国風コスプレの敵司令官、中東テロリストみたいな格好のザコ、可愛いゴリラの着ぐるみの獣人…コイツら、本当に脅威的な侵略異星人なの??
衣装と言えば、主人公たちが着る黄色のスーツはまんま『ヤマト』のパクリ。敵に捕まったヒロインは何故かボディコン風衣装に着替えさせられ、敵の好み?(このヒロイン、若過ぎて分からない浅野ゆう子!)
特に仰天したのはSF考証の無さ。轟天に乗って地球から金星まで9日間って…。幾ら何でもワープくらい使おうよ…。
童心に返ってのワクワクは多少あるけど、ハラハラもドキドキもナシ。
その年の夏に企画が始まって冬に公開という、『SW』の日本公開前の超急作業であった事は考慮するとしても…、
とてもとても、これが日本の『スター・ウォーズ』だ!…とは、恥ずかしくて言えやしない。
かつての東宝特撮SFの方を自信を持ってオススメする。
これが熟練のプロが作った映画?
ちと幻滅だわ…。
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