リボルバー(1988)のレビュー・感想・評価
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今の『銃』も似た感じかな?
森村誠一の作品に『異形の白昼』など、異形シリーズがある。これが一丁の拳銃の持ち主が次々と変わっていく様子を短編で描いたものだったが、これが原作かと思ってた。
最初は小林克也。『逆噴射家族』の演技が認められたのか、いきなり濡れ場を演じているといううらやましい(?)役柄。不倫中の相手(吉田美希)が業を煮やして若い男と結婚する。それを聞いたため、二人に殺意を抱く。公園のブランコでボーっとしていた警官・清水を見つけ、靴下に石を詰めて投打!結婚式当日、彼らの部屋に侵入しようとするが、会社の同僚たちが駆けつけていた・・・見事、彼らは新婚旅行に出かけ、新居に侵入するが、誰もいない。腹が減った彼はピザ宅配のあんちゃんを拳銃で脅かし、ピザを食べる(笑)。
拳銃を拾った進は、かつてレイプ現場を目撃したため、そのヤクザまがいの男・石森(山田辰夫)に殴る蹴るの暴行を受ける。殺してやりたいその石森は札幌にいるというので、同級生の女の子(佐倉)に金を借り、北海道へと向う・・・
清水には見合いをさせられた女(南條玲子)がいて、結婚する意志のない清水は警察を退職した後、バーの女(手塚理美)の家にヒモのように転がり込んでいた。また、群像劇のコメディパートとして、競輪暮らしをする柄本明と尾美としのりのコンビがいる。失われた拳銃をめぐって、彼らが札幌へと向かい、見事に最後に着地するストーリーの上手さ。しかも誰も死ぬことなく終わるので、爽快感さえあるのだ。南條によって柄本の足が撃たれてしまうのだが・・・
難を言えば、佐倉しおりの演技の下手さ。いくら同級生からといえども拳銃を向けられて平然と対処できるわけがない。最後の柄本・尾美のキスシーンもいい(笑)
それぞれの人生。「相手が忘れてくれなきゃ、こっちも忘れられない」とかいう台詞もいい。バブル期の作品だからか、バイトや転職といったこともかなり散りばめられている。バーを移り歩いたり、競輪暮らしも金が無くなりゃバイトしたり、バーテンからパチンコ屋だったり、主人公に至っては警察を辞職してヒモになるのかと思ってたらタクシー運転手になってた!タクシーは第一交通だった・・・
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