劇場公開日 1986年11月15日

「広島のある旧家の没落を亡き母への思慕を込めて描く」落葉樹 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0広島のある旧家の没落を亡き母への思慕を込めて描く

2021年8月5日
PCから投稿

 新藤兼人自選10本の中の1本。登場人物がメリーゴーランドに乗ってるシーンがオープニングになっている。

 昭和初期、父(財津)、母(乙羽)と兄、2人の姉と幸せに暮らしていた家族だったが、他人の借金の保証人になったばかりに借金まみれとなった。“腰ひょうたん”と呼ばれていた少年も金のない母親にねだったりして、悔恨の念に胸を痛める初老の作家(小林)。長姉(園みどり)はアメリカ移民の男に嫁ぎ、日本へ帰ることはなかった。兄は軍隊を辞め、警察官となっていた。やがて次姉も嫁ぎ、家を売ることになったが、先祖の土地を離れられないと、残った頑固に居座る父。そして、母も亡くなるのだった・・・

 餅つき、獅子舞、魚獲り、海水浴、楽しい想い出がいっぱいある中、映像的にはヌードがところどころ見られる。乙羽信子の乳にしゃぶりつく少年。一緒に風呂に入ると、彼のちんちんにキスをするシーンは印象的だ。中学生くらいの次姉(若葉しをり)のヌードもある・・・

 「はるさー、ごはんじゃけ。帰りんさい」と何度も流れる台詞が印象的。

kossy