山口組外伝 九州進攻作戦のレビュー・感想・評価
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無情に散った夜桜は銃と女の夢を見る。
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「夜桜の銀次っちゅう、ええ極道がおりましてな」―。
山口組が仕掛けた九州進攻作戦をモデルに、一連の抗争事件に関わった実在のやくざ・夜桜銀次の生涯を描いた実録作品。
山下耕作監督の情感豊かな演出が、他の実録物とは一線を画した雰囲気を醸し出しているなと感じました。深作欣二監督や中島貞夫監督の作品から迸っていたギラギラ感も控え目で、少し物足りない気がしましたが、だからこそ夜桜銀次という男の破滅的な生き様が際立っていたのかもしれない…。
銃と女を愛し、組織の鉄砲玉として、多くの殺人を犯しながら、まるで死に急ぐかのように自暴自棄に暴れ回った銀次。やがては仲間内からも、手がつけられないと敬遠されるようになってしまう…。そして訪れた運命の瞬間…。炭鉱主が借金トラブルの腹いせに依頼したヒットマンによって、自宅マンションにいるところを呆気無く射殺されてしまうのでした…。
その死が兵藤組(本作での山口組に相当)の、九州進攻作戦の引き金を引くことになりました。「死に花咲かせた」というセリフが印象的でした。無情に散った夜桜の花びらは新たな火種を生み、鮮烈な一生を刻み付け、そして伝説となった―。
【余談】
オープニング・クレジットの背景に、地元の競艇場が映っていたり、梅田やなんばの昔の風景を見ることが出来て、「こんな感じやったんや」とか「あんまり変わってないかも」と云った発見があり、なんだか嬉しかったです(笑)
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