「古くならないことが新しいこと」宗方姉妹 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
古くならないことが新しいこと
「午前十時の映画祭」で鑑賞。
面白かった。
途中までは「名作やなぁ、ほんまに」と思って観ていたけれど、終盤に少し冗長さを感じました。でも面白かったです、うん。
いつもいっているように、主人公に明確な目的(「勝つ」「捕まえる」「逃げる」「何かをつくりあげる」など)のないストーリーを、退屈させずに観せるのはなかなか難しいことだと思います。それをここまで魅力的なものに仕上げているのは、やはりさすがというほかありません。
じつに74年前の作品ということで、それだけでびっくりですが、ここに描かれている人々のこころの動きは現代のわたしたちにも深く響くものでしょう。
けっきょくのところ、技術や様式は変化しても、人間の本質はまったく変わらないのだということがこの映画を観てわかりました。
そして、「古くならないことが新しいこと」という、節子の言葉。
それは、自らの作品が時を超えて生き続けるという、小津監督の、自信に支えられた予言のようにも聞こえました。
それにしても、いまの映画で74年後に再映される作品がどれくらいあるのだろう?
――と、今回もそんなことを思ったのでした(まあその頃には映画館もなくなってるかもしれないけどね)。
で、最後にひとこと。
高峰秀子、サイコー!!
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