満員電車のレビュー・感想・評価
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前日に突然の火災により講堂が全焼し、雨の中校庭で卒業式を行う映像。いきなり何なんだよ、この映画。面白いぞ。
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社員研修へと向かう前に、デパガ、映画館もぎ嬢、同級生と、それぞれ過去を清算するため別れを告げる、かなりのプレイボーイだった茂呂井。就職すると、そこはオートメーション化された工場の片隅にある無機質な事務仕事。最初は伝票処理を就業開始から10分で片づけてしまったが、それを一日8時間でこなさなければならなかったのだ。独身寮の隣人・更利満(船越英二)に色々教えてもらうが、彼はこっそり会計士の受験勉強をしていたというオチもあった。
サラリーマンの悲哀を描いた前半と、予測不可能なほど転落していく人生をブラックコメディで描く。母親が精神病にかかったと思わせておいて、実は父親のほうが精神病だというオチもなかなか面白いが、それよりも大企業を解雇になった者が就職難で再就職できない社会なんて現代と同じ構造だと痛烈に皮肉ってる。
同級生だった壱岐留奈(小野道子)が突然独身寮を訪ねてきて「結婚してもいい」なんて言ってたが、それもかなわず、職安で再会。そのときはすでに彼女も結婚。小学校の小使いとして雇われるが、大学出身であることを偽って就職したものだから、またもや解雇・・・現代だと、よくある話だろうけど、この時代はまだ高度成長期前夜。希望が見える分だけまだ救われるのかもしれない。
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