劇場公開日 1994年6月11日

「無心に進め 完全な自由な世界」毎日が夏休み 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0無心に進め 完全な自由な世界

2024年7月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

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幸せ

原作は『グーグーだって猫である』の大島弓子
監督と脚本は『香港パラダイス』『就職戦線異状なし』『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』『デスノート the Last name』『リンキング・ラブ』『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』の金子修介

粗筋
虐めをやめさせようと虐められっ子を庇ったら今度は自分が虐められるようになり親には内緒で登校拒否を続ける名門私立女子中学の中学生林海寺スギナ
会社の方針が合わず家族に相談せず一部上場企業を退職したスギナの継父林海寺成雪
日中の公園で早弁をしていた2人はバッタリ顔を合わせお互いの秘密を打ち明けそれ以前はあまり会話がなかった2人は親密になる
成雪は自分を社長に娘を副社長になんでも屋「ハートサービス林海寺社」を設立
ちなみに監査役に妻良子を勝手に任命
寝耳に水の良子はただただオロオロするばかり
「私の立場はどうなるのよ」
大企業の次長を務める夫と名門私立女子中学に通う優等生の娘という理想がガラガラ崩れ去りノックアウト寸前

語りを兼ねなかなか観察眼が鋭い女子中学生スギナ
インテリで理詰めな父成雪
理想と現実の狭間でパニック状態の母良子
この三者三様が最高に面白い
個人的には金子修介監督作品で1番好き

慣れないナイトクラブ勤めで体調を崩した良子
元妻の思い出の品を手に入れるため家事の中に飛び込み負傷した成雪
同じ病院同じ病室に入院する2人
左に良子
右に成雪
その間に娘のスギナ
印象的なシーン

YouTubeで鑑賞
過去数回鑑賞(いずれもDVD)
昔はどのレンタルビデオ屋でも見かけたが今はほぼどこも置かなくなった
仙台でさえどの店も扱っていない
大阪のとあるTSUTAYAで置いているらしい
しかもU-NEXTなど動画配信サービスされてはいない
わりと良作だけに残念な話である
たぶん違法動画かもしれないがそれでもありがたい

佐伯日菜子のデビュー作
今回の作品で日本アカデミー賞受賞
瑞々しいとは演技に対する評価とは思えないが美少女だということは間違いのだ

戸田恵子の顔出しでの映画初出演
資料を調べると厳密にいって女優デビューというのは明らかな間違いである
ちなみに彼女の長い芸能生活の初仕事は声当てではなくそれ以前にタレント活動をしている

スギナは中学生だが登校拒否児
勉強は父成雪が教えるという
選択肢として有り
それゆえにゆたぼん批判している人たちの主義主張は全く共感できない
子供にとって教育は権利であり義務ではない
親は教育を受けさせる義務はあるが強制的に学校に行かせるようなものじゃない
友達が必ずしもできるわけじゃないし
そこのところアンチゆたぼんは理解できているのだろうか
理解した上で誹謗中傷しているのか
キラキラネームの件もそうだがはっきりいって赤の他人のくせに大きなお世話である
いちいちうるせーんだよ暇人と嘆きたくなる

配役
登校拒否児の中学生の林海寺スギナに佐伯日菜子
スギナの継父の林海寺成雪に佐野史郎
スギナの母の林海寺良子に風吹ジュン
成雪の元妻の草本紅子に高橋ひとみ
良子の元夫の江島渡に小野寺昭
成雪が勤めていた会社の同僚の小林に益岡徹
小林夫人に黒田福美
小林の部下の竹下に大河内浩
渡辺夫人に一城みゆ
三塚夫人に阿知波悟美
河本夫人に千うらら
かつて成雪にお世話になった会社の部長の宇野に上田耕一
スギナが通っていた英語教師の朝井に戸田恵子
学校の職員に林キセ子
盛崎夫人に石井トミコ
ハートサービスの依頼主としてスギナ相手に恋愛シュミレーションを要求する中川に竹下宏太郎

野川新栄