劇場公開日 1981年11月7日

冒険者カミカゼのレビュー・感想・評価

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1.0宝の持ち腐れならぬ、「千葉真一の出し腐れ」

2025年3月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

単純

1981年公開、配給・東映。

【監督】:鷹森立一
【脚本】:内藤誠、桂千穂、中島貞夫

主な配役
【神風大介】:千葉真一
【星野明】:真田広之
【金城ケイ】:秋吉久美子
【堂島有三】:岡田英次
【立花みどり】:あべ静江
【海野九三】:尾藤イサオ

1.鷹森立一・千葉真一コンビ

アクション長寿テレビシリーズ『キイハンター』からのバディだが、『ボディガード牙』シリーズ同様に、映画は冴えない。

100分越えの脚本にするために、冗長な展開が多くなる。つまり、核となるストーリーが弱いのだ。
アクションシーン頼みの印象になってしまう。
本当にもったいない。

「千葉真一の出し腐れ」だ。

2.バラバラ感(キャスティングの問題?)

千葉真一42歳。
JACを創設して10年。すでにスターの領域。

真田広之は21歳。
同じ年に『魔界転生』にも出演。

秋吉久美子は27歳。
結婚と出産から復帰し、立て続けに映画に参加、これが復帰後3作目。

千葉真一は
『冒険者たち』、『明日に向かって撃て!』、『スケアクロウ』に憧れて、本作を企画した。
つまり、ニューシネマとも呼ばれていた世界観だ。

◆善と悪、敵と味方の相関が複雑(盗んだ金を盗まれる)
◆ニヒル、シニカル、乾いた笑い
◆金儲けと友情

3人のメインキャストに、まったくバディ感がない。
三本の矢、の逆をいってる。

3.なにを見せたいか分からないシーンの連続

代表的なシーンをひとつ。

日活ロマンポルノの濡れ場に流れそうな音楽をバックに、千葉真一と真田広之が狭い室内でアクロバット合戦を繰り広げる。
アクロバットならまだ良いが、トレーニングメニュー的な動きも加わる。
秋吉久美子は、笑みをたたえて見守り、最後はまくらがはじけて、羽毛が飛び交う室内でのスローモーション。

「ねえ、なにが楽しいの?」と画面に問いかけたくなる。
アクションシーンではなく、体操シーンだ。
そういう意味では、ニューシネマと言える。

4.教えてください

トヨタロゴをフロントグリルに奢った四駆?
に目が向く。
サイズ的には5ナンバーか軽だが、当時もトヨタは軽を作ってないし、ダイハツとのタイアップもまだだったはず。
車名が知りたくて仕方ない。
誰か教えてくださいm(_ _)m

5.まとめ
製作陣の「ノリ」で作ったような作品だが、
当然、そんな映画もあってよい。
時流にハマればヒットすることもある。
本作はハマらなかっただけだ。

40代の千葉真一、20代の真田広之を観たい人だけに勧めたい。
☆1.0

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Haihai

4.0最近話題の軍艦島も堪能できます。

2025年2月20日
PCから投稿

強奪した大金を巡り、暴力団と攻防を繰り広げる3人の活躍を描く物語。

千葉真一と真田広之が共演したアクション映画。随分前に鑑賞済みですが、wowow放送を期に再鑑賞。
作品は、千葉と真田のプロモーション映画の赴き。
海、空、車に馬・・・そして器械体操やダイブ。これらのアクションが、メインテーマ曲・冒険者たちのメロディに乗せて描かれていきます。二人の魅力を堪能することができ、個人的には満足出来る一作です。

もう少し暴力団との攻防に緊迫感があれば、映画としての完成度が高くなったように思いますが・・・最後までプロモーションの域を出なかったのは少々残念。
折角二人が出ているのですから、格闘アクションもしっかりと観たかったですね。

私的評価は、少し甘めで4にしました。

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よし

4.5凄い身体能力

2025年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

楽しい

40年前の作品。
師匠の千葉さんと、真実の日本を伝えようと頑張ったエミー賞受賞の真田さんのバディもの。
そこに秋吉さんが、いい塩梅の立ち位置。
現代のアクション映画とは違う、なんだか泥くさい映像だけど、己の身体だけで、あんなに動けるんだー。
千葉ちゃんと真田さんの動きが、あまりにも軽やかで、凄いを通り越して笑ってしまう。
千葉真一は稀有な俳優だなぁ。

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りゅう

2.5冒険者?

2024年5月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

バブル前夜。
柳生十兵衛の堅実剛健さなどかなぐり捨てた千葉氏と、
純真純朴なスーパーヒーローさを、これまたかなぐり捨てた真田氏の、
格闘技を封印した、やりたい放題のスタント・設定が爆発!
東映の岡田社長(会長?)主張の『爆発!カミカゼ野郎』でもよいのではないかい?という展開。

アドベンチャーって犯罪者?なんかすっきりしない…。

Wikiによると、千葉氏が、プロデューサーの日下部氏に「好きな映画を作っていい」と言われ、『冒険者たち』をオマージュし、『明日に向かって撃て』と『スケアクロウ』のテイストを加えた原案を提出したことから、この映画は始まったらしい。
 オマージュされた作品も、テイストを加えられた作品も、恥ずかしながら未見なので、どう比較してよいのかはわからない。
 千葉氏の映画はそんなに観ていないが、この映画が製作されていた頃は柳生十兵衛のイメージが強い。その反動で、他の映画ではできないことを全部行ったかのような作りになっている。
 真田氏は、デビュー当時から多彩な役柄を演じていらっしゃるが、”主役”として売り出すと、忍者ものの他、現代劇では設定に違いがあれど、アクション主体と言う点ではこの頃の役そのまんま。
 ただ、「千葉氏が『冒険者たち』をやりたくて、相方が見つからなかったものの、相方として遜色ない真田氏が育ってきて(Wiki原文にままではありません)」というWikiの解説を読むと、この映画での二人のコンビネーションがはっちゃけているのもさもあらんと感慨深い。
 真田氏デビュー当時の真田氏を売り出す映画には、当然千葉氏も出演されているが、ここまでコンビ色が強いものはない。その師弟コンビを見るというポイントは高い。
 このコンビに紅1点となれば、志穂美さんを期待したいが、クレジットの無いカメオ出演はされている程度。残念。
 代わりに秋吉さんが入っている。秋吉さんのアンニュイ感は、それはそれとして良いんだけどね、千葉氏、真田氏とからむと相殺してしまう。

 ”格好の良い”の代名詞のような千葉氏、真田氏が演じられるのは、大学職員と医学部学生。千葉氏の方は”元オリンピック選手”で、真田氏の方は”体操部所属”ではあるが、ともに大学に不正入学をしたことで、大学を追われる。真田氏演じる学生が入学を取り消されるのはまだ理屈が通っているが、入学時が不正入学とはいえ、オリンピック選手として大学名を高めて、その後職員になっている人を今更そんな理由で退職するのは????が飛ぶが、映画の設定だから仕方がない。
 そして、それぞれ、安直なことを考えるのが発端。”トクリュウ”とかの藪に捕まってしまう若者が多いが、バブルの頃もいたのねと思ってしまう。
 そんなダサダサの役柄。他の映画との差別化?

 ここからの展開がもう口あんぐり状態。

 乗馬・スキューバダイビング・水上スキー・複葉機・グライダー・ハンググライダー等を次々とこなし、ゴージャスなレストランとか、『キーハンター』を思い出させるが、スタイリッシュではないし、今一つ緊張感もない。やっぱり、野際さんじゃないと…。
 ファッションに限って言えば、ファッションスタイルは歴史を繰り返すというが、この映画でのセンスは復活しないであろう。
 格好良いのだけれど、あか抜けない、残念感が出てしまう。

役者も、JACの面々は見事なスタントを披露してくれるし、脇を固めて下さっている方も、主役を張れる華のある方が出演されているのだけれど、もったいない。

主題歌を真田氏が歌っている。歌がとびきりうまいとは言えないが、甘い声は聴きごたえがある。

そのテーマソングは千葉氏のこだわり。昔聴いて気に入った曲を気合を入れて探したらしい。曲は良い曲なのだが、この映画のテイストと合わない。
 粗筋だけなら哀愁を感じさせる部分はあるが、お金をばらまき散らかしているような様や、アクションをつぎ込むのに忙しくて、情緒を味わえないとか、無理くりなコメディセンスとか。何をしたかったのだろうかと思ってしまう。

千葉氏の提案で始まって、千葉氏がやりたいことを詰め込んだように思える映画なのだが、実はいろいろな人がかかわって、会社側の”売れる”ための戦略も大いに反映されたがゆえに、ブレブレになってしまったのだろうか?

ラストのロケ地は、現時点では驚愕ものだが、当時はこんな扱いだったのかと”遺産”等の価値づけについて、考えてしまう。

アクションと千葉氏・真田氏の師弟を観るための映画と割り切るしかない。
 千葉氏と真田氏のアクションはすごいが、アクションだけを見るなら、他の映画でも味わえる。でも、こんなに、二人で楽しんでいる映画はこれだけかも。

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とみいじょん
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