冒険者カミカゼのレビュー・感想・評価
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冒険者?
アドベンチャーって犯罪者?なんかすっきりしない…。
Wikiによると、千葉氏が、プロデューサーの日下部氏に「好きな映画を作っていい」と言われ、『冒険者たち』をオマージュし、『明日に向かって撃て』と『スケアクロウ』のテイストを加えた原案を提出したことから、この映画は始まったらしい。
オマージュされた作品も、テイストを加えられた作品も、恥ずかしながら未見なので、どう比較してよいのかはわからない。
千葉氏の映画はそんなに観ていないが、この映画が製作されていた頃は柳生十兵衛のイメージが強い。その反動で、他の映画ではできないことを全部行ったかのような作りになっている。
真田氏は、デビュー当時から多彩な役柄を演じていらっしゃるが、”主役”として売り出すと、忍者ものの他、現代劇では設定に違いがあれど、アクション主体と言う点ではこの頃の役そのまんま。
ただ、「千葉氏が『冒険者たち』をやりたくて、相方が見つからなかったものの、相方として遜色ない真田氏が育ってきて(Wiki原文にままではありません)」というWikiの解説を読むと、この映画での二人のコンビネーションがはっちゃけているのもさもあらんと感慨深い。
真田氏デビュー当時の真田氏を売り出す映画には、当然千葉氏も出演されているが、ここまでコンビ色が強いものはない。その師弟コンビを見るというポイントは高い。
このコンビに紅1点となれば、志穂美さんを期待したいが、この頃志穂美さんは忙しかったそうだ。クレジットの無いカメオ出演はされている程度。残念。
代わりに秋吉さんが入っている。秋吉さんのアンニュイ感は、それはそれとして良いんだけどね、千葉氏、真田氏とからむと相殺してしまう。
”格好の良い”の代名詞のような千葉氏、真田氏が演じられるのは、大学職員と医学部学生。千葉氏の方は”元オリンピック選手”で、真田氏の方は”体操部所属”ではあるが、ともに大学に不正入学をしたことで、大学を追われる。真田氏演じる学生が入学を取り消されるのはまだ理屈が通っているが、入学時が不正入学とはいえ、オリンピック選手として大学名を高めて、その後職員になっている人を今更そんな理由で退職するのは????が飛ぶが、映画の設定だから仕方がない。
そして、それぞれ、安直なことを考えるのが発端。”トクリュウ”とかの藪に捕まってしまう若者が多いが、バブルの頃もいたのねと思ってしまう。
そんなダサダサの役柄。他の映画との差別化?
ここからの展開がもう口あんぐり状態。
乗馬・スキューバダイビング・水上スキー・複葉機・グライダー・ハンググライダー等を次々とこなし、ゴージャスなレストランとか、『キーハンター』を思い出させるが、スタイリッシュではないし、今一つ緊張感もない。
ファッションに限って言えば、ファッションスタイルは歴史を繰り返すというが、この映画でのセンスは復活しないであろう。
格好良いのだけれど、あか抜けない、残念感が出てしまう。
役者も、JACの面々は見事なスタントを披露してくれるし、脇を固めて下さっている方も、主役を張れる華のある方が出演されているのだけれど、もったいない。
主題歌を真田氏が歌っている。歌がとびきりうまいとは言えないが、甘い声は聴きごたえがある。
そのテーマソングは千葉氏のこだわり。昔聴いて気に入った曲を気合を入れて探したらしい。曲は良い曲なのだが、この映画のテイストと合わない。
映画タイトルも、会社側ともめたらしい。結局お互いが折り合えるところに落ち着いたらしく、千葉氏は不満を持っていたようだが、この映画の出来上がりを見れば、会社側の提案でもよいのではと思ってしまう。
千葉氏の提案で始まって、千葉氏がやりたいことを詰め込んだように思える映画なのだが、実はいろいろな人がかかわって、会社側の”売れる”ための戦略も大いに反映されたがゆえに、ブレブレになってしまったのだろうか?
ラストのロケ地は、現時点では驚愕ものだが、当時はこんな扱いだったのかと”遺産”等の価値づけについて、考えてしまう。
アクションと千葉氏・真田氏の師弟を観るための映画と割り切るしかない。
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