「彼は神の視点の存在か」蛇の道(1998) Kさんの映画レビュー(感想・評価)
彼は神の視点の存在か
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映像はVシネマの質感。一見したところはいわゆる裏社会ものだが、被害者であり加害者でもあるような人物が出てきたり、謎めいたループ構造があったりする複雑さが意外で興味をそそられる。ただ作りは荒削りなので、謎が謎なまま消化不良で終わる感じはある。
塾講師の男(哀川翔)も過去に娘を殺されていたということに気づけば物語は理解しやすい。私は最初、彼は加害者側ではないかと構えていたので話の展開が理解できなかったが、彼は神の視点の存在で悪を成敗しているのだと考えて謎が解けた気がした。数学を解く少女もまたそちら側の存在であり、彼らは言うなれば「マトリックス」のオラクルやアーキテクトなのだと思う。
あるいは少女は過去に殺された人間の一人、もっと言えば数学塾に来ている人はみな殺されて彷徨える霊であって、塾講師の男が彼らの霊を慰めているという解釈もできるかもしれない。
セルフリメイク版が楽しみだ。
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