兵隊やくざのレビュー・感想・評価
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最初タイトルを見たときガーディアンズオブギャラクシーみたいにヤクザ...
最初タイトルを見たときガーディアンズオブギャラクシーみたいにヤクザならず者で結成した部隊が戦争いくのかと思った。
全然ちがくて戦争シーンはゼロ。話の始まりから終わりまで内輪揉めというか上官から理不尽なヤキをいれられてはやり返すという話。
大宮2等兵(勝新)と有田上等兵(田村高廣)のバディムービー。たばことかBLぽい描写あり。
有田上等兵はインテリなのだけれど試験にわざと落第して昇進しないようにし、満期がきて除隊になるのを望んでいる。軍隊が嫌い。
大宮はそんなにヤクザという感じはなく、昔気質の弱気を助け強気を挫くという感じ。自分の仲間がボコられたらそいつをしばくとかそういうタイプ。
この頃の軍隊というと何でもすぐビンタ制裁。敬礼しないとかイチャモンつけてはビンタ。グーパン混ぜてボコボコにする慣わし。
言うこときかないとか態度デカイとかで目を付けられる大宮。もちろんボコボコにされるが強いので上官を逆にフルボッコ。それを有田上等兵が何年兵だとか階級が上だとか、立場悪くなるとか、部下に負けるのは恥とか、評価が下がるとかいろいろ言ってフォローする流れ。ボコられた上官にいろいろ吹き込んでケンカをなかったことにするプロ。大宮を守り続ける。
「なんで自分に親切なんです?」
「お前みたいなとんでもないのはほうっておけないんだ」
えこひいきしまくりなので有田上等兵が大宮に制裁を加えるハメになる。しかし大宮が可愛くて仕方がないので1撃でやめてしまう。大宮は手近にあった石で自分の顔面を殴打しまくり有田からキツイ制裁をうけたように上官にみせた。大宮は粗暴で知恵が回らないようだが、有田と離れないように謀ったりなど賢い一面もある。
戦況が悪くなり満期がきても除隊できないことになってしまう。
除隊することだけを目標として生きてきた有田は大宮と一緒に逃げることを決意する。
蒸気機関車の先頭車両を切り離して2人だけになるラスト。
「大宮、シャバで生きる知恵はお前のほうがある。これからはお前が俺の上官だ!なんでもきこう」
とても面白かった。終わり方も映画らしいしすごい良い。
よかった
先輩の三年兵がインテリ気取りでやたらとうまいことを画策するのだが、常にキャリアの高さや、数の多さで相手を制しようとしていてなんかせこい男であった。勝新に優しいのはよかったし、実際のところ粗暴な相手をするのはそのくらいでないと持たないのかもしれないが、身を捨てるような感じがあったらよかったなあと思った。
山田参助さんの漫画『あれよ星屑』に似たイメージがあった。
今現在、ビンタや鉄拳制裁が普通にまかり通る世の中ではなくなってよかった。
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