劇場公開日 1966年3月26日

「原作を読んでみたい・・・」氷点 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作を読んでみたい・・・

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 養女が娘を殺した殺人犯の娘という奇抜な発想なのである。愛と憎しみが家族内で複雑に交差する緊張感。真実を告げる瞬間にはゾクゾクするのだが、母親の若尾文子の心がそれほど真に迫ってないのが残念だ。むしろ山本圭の無心の愛に心打たれてしまう。

 氷点の意味は出生の秘密によって、陽子が父の犯した罪に苦しみ、堪えていくことができなくなった限界点だ。旭川の厳寒の地でその気持ちが映像により伝わってくる。三浦綾子の小説を短い時間で堪能できる映画だ。原作のラストはどうだったのかは知らないが、何となくこんなにハッピーエンドではないような気がする。機会があれば読んでみたいものだ。

kossy