劇場公開日 1969年4月10日

緋牡丹博徒 二代目襲名のレビュー・感想・評価

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4.0シリーズ4作目はちょっと変わった味付けの異色作!

2025年7月23日
PCから投稿

お竜は不死身の富士松を伴い九州へ戻ります。冒頭のシーンは阿蘇。地元五木へ戻るのかと思ったら今回の舞台は北九州筑豊地区へ。

叔父さん(嵐寛寿郎)は筑豊鉄道の敷設工事を請け負い頑張っていますが、鉄道が通ると石炭運搬の仕事を失ってしまう川筋者(遠賀川の水上物流を担う川人足たち)と対立し、激化した抗争に巻き込まれ重傷を負ってしまいます。

見舞いに訪れた「お竜ちゃん」に後のことはすべて丸投げしぽっくり逝ってしまうアラカン。お竜は再興した矢野組の初仕事として張り切ります。現場監督として半纏にパッチ姿で陣頭指揮。人足たちと一緒に現場事務所に寝泊まりし、人足に夜這いまでかけられそうに。

川人足のボス「赤不動の親方」の元へ一人で向かうお竜。「小型船舶輸送は時代遅れ!これからの時代は鉄道運送!」というお竜の正論をまともに聞き入れる相手ではありません。相手が喧嘩っ早すぎてまともに話もできません。困るお竜。

いつもは傍観者であるお竜が本作では矢面に立たされるところがまず異色。赤不動たちとの対立と和解、悪のやくざ宝満組との対立と抗争、工事の発注元の鉄道院の課長さん(ウルトラセブン)との交渉、すべてお竜が前面に立って大車輪の働きっぷり。賭博をやってる暇もありません。いつもクールなお竜さんの悪戦苦闘ぶりが本作の見所です。

あと、本作には若山富三郎演じる熊虎が登場しません。代わりに大阪のお大尽金丸金吉(遠藤辰雄)がコメディリリーフ。

本作には賭場のシーンがない代わりに、屋外ロケ、蒸気機関車など結構お金かけてます。ラストシーン、いつもは敵の屋敷にカチコミですが、今回は事前に喧嘩状を送った上で河原での大乱闘。

シリーズのちょうど真ん中、第4作目はいろんな意味で異色作!たまには変わった味付けもいいと思います。

長門裕之演じるおちゃめな偽ヤクザ「大風呂敷」。ほとんど見せ場もなく退場します。高倉健演じる矢代さん。渡世の義理に縛られない正義の男前ヤクザですが、その立ち位置がよくわかりません。ふらっとやってきてふらっと死んじゃいました。

鉄道工事も無事終了し宝満組も皆殺し。仕事をやり終えたお竜さんはまたさすらいの旅へ。矢野一家の経営は大丈夫か?!

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jin-inu

3.0矢野一家再興

2025年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

癒される

カワイイ

お竜さんは故郷の熊本に戻ってきた。
念願の矢野組を再興、最初に手掛けたのが筑豊本線の敷設だった。
国鉄の利権を狙って、悪い組が邪魔をしてくる。
出所したばかりの健さんの協力でなんとか開通まで漕ぎ着けるが・・・。
この時代のスターは見事に絵になる。

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いやよセブン

3.0高倉健VS天津敏

2025年2月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「死んで貰うぜ」脇役でありながら
健さんのこの台詞だけで鳥肌モノ
今回壺振りシーンはございませんが
お竜さんは、いつ見ても惚れ惚れいたします。
今回アラカンさんの見せ場はありませんが
今回もおたかさんこと清川虹子さんは啖呵で魅せます!

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映爺

2.0長門裕之の退場が早すぎる

2023年5月22日
iPhoneアプリから投稿

名作揃いの『緋牡丹博徒』シリーズの中ではあまりパッとしない一作。矢野竜子の二代目襲名という本編に大きく関わるイベントがあるにもかかわらず物語は凡庸でギミックに欠ける。とはいえ任侠映画とは往々にして凡庸でありギミックに乏しいものであり、そういう骨格部分の貧弱を逆手に取って役者が自由闊達にスクリーンを駆け回る圧倒的なダイナミズムこそが任侠映画の真髄だ。一方本作には役者にさしたる動きがない。歌舞伎でいうところの「見得」に当たるような瞬間がない。ゆえに物語のアラが前面化している。『花札勝負』でみられた悪どいヤクザたちの私利私欲に翻弄された家族のために涙を流す藤純子や、敵方の客人でありながら藤純子に協力する高倉健の侠気といったものは本作には感じられない。唯一、お調子者の渡世人として登場した長門裕之にはなかなか見所があったのだが、彼は中盤であっさり殺されてしまう。彼の運用次第でいかようにも耽美で刹那的な任侠世界が描けたはずなのにと思うと残念でならない。

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因果
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