緋牡丹博徒のレビュー・感想・評価
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お竜誕生⋯命、貰うばい!
BS12で鑑賞。
女だてらに父親の組を継ぎ、渡世修行の旅に出ている矢野竜子、人呼んで「緋牡丹のお竜」を藤純子(現・富司純子)が演じるシリーズの1作目。
やくざの娘に生まれながら、亡き母の遺言を守った父が堅気の娘同然に育て(小刀の免許皆伝は堅気の娘にはいらないような⋯)商家に嫁ぐ寸前、父が殺害されてしまうと云う悲劇が起きる。
父の仇を討つため、竜子は自らの意思で任侠の世界に飛び込む。弱きを助ける任侠の本道をいき、しかも土壇場での度胸もある。加えて器量良しと来れば、惚れない男はいないだろう。
覚悟を決め渡世修行を始めて3年目、こうも人が変わるのかと、娘時代とは大違い。どっしり構えたオーラを放つお竜を藤純子が見事に演じる。
父の仇の手がかりを握る渡世人役で、高倉健が助演していると云う豪華さ。新たなスター・藤純子の門出を、すでにスターの高倉健が支える構図か。
見せ場はありつつ、主役を引き立たす役割に徹した高倉健の真面目さが伝わって来る演技だった。
高倉健への恋心を抱きつつ、父の仇のもとへ殴り込むクライマックスのカタルシスは、任侠映画ならではの味わい。お竜はピストルを撃ち、得意の小刀を閃かせて戦う。ダイナマイトは若干やり過ぎの感ありだが、傷つきながらも敵をバッタバッタと斬り捨てる場面はやはり痛快で溜飲が下がる。お竜に仇を殺させなかった高倉健の優しさが沁みた。
[余談]
清川虹子が機転を利かせてお竜を助けてくれたシーンが印象に残る。まるで一休さんのようなとんちで解決してしまうのがなんだか面白かった。
凛
「昭和残侠伝」の次に選んだシリーズ。
まさかの高倉健さん共演でテンション上がる。
東京東映のイメージが強かった仁侠映画だけど、今作は京都東映で撮ったみたいだ。殺陣のクオリティは流石に高い。
斬られ役が斬られ役として、堂々たる仕事ぶりを発揮してる。
さて、昭和残侠伝の花田秀次郎が雑草の逞しさなら、今作、矢野龍子は凛と咲く百合のような気高さがある。
粋な姐さんではあるものの、正直場違いすぎる。品があって、たおやかでしなやかで。
確信犯的なヒロイン像なのである。
勿論、それを遺憾なく体現してみせた富司純子さんがいればこそ、なのだが。
同じ渡世の話でも、女性にしか出せない艶みたいなのがあってとても良かった。
流暢な方言を操るわけなのだけど、全くもって田舎くささはない。
10台のあどけなさも、大人な色香も使い分ける芸達者ぶり…大好き!
ラストのある意味ラブシーンである健さんとのシーンは、とても良かった。
不死身の高倉健が弱っていく様もいいのだが、それを抱きしめ、額をこすりつける富司純子さんのなんと健気な事か…!
啖呵を切って意地を張ってきた女性ならではのギャップ萌なのである。
女性の主演ならではのシチュエーションだ。
おそらくコレは鳴り物入りでクランクインしたのではなかろうか?
満を辞しての富司純子。しかも、女渡世人。特別出演枠に「高倉健」
キャストもスタッフも、とてもとても豪華な布陣なのである。そして期待に応え、前評判を上回る高評価を得た作品だったのでないだろうか。
なんか新機軸のようなポジションだった。
お話も見やすかったし、展開も丁寧だ。
健さんは安定の渋さで、富司さんは美しい。若山さんの3枚目ぶりは見事!
シリーズのお披露目としては、満点の出来栄えだったと思われる。
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