人斬り与太 狂犬三兄弟のレビュー・感想・評価
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団塊ジュニアこそは狂犬3兄弟の末裔なのです団塊世代の果たせなかった夢を本作は子供世代に託そうとしたのです
1972年10月公開
もちろん東映作品
「仁義なき戦い」のプロトタイプというべき作品
その作品は本作のわずか3ヵ月後の1973年1月に公開されるのです
本作が無ければ「仁義なき戦い」もまた無かったろうと明確に分かります
菅原文太、田中邦衛、その他大勢の「仁義なき戦い」シリーズで見知った顔が出演し、深作欣二監督が演出する
手持ちカメラの臨場感ある映像はすでに本作にあるのです
狂犬3兄弟とは、出演の菅原文太が演じる権藤勝男
その舎弟分の田中邦衛が演じた大野正吉
三人目は途中から仲間に加わる蛇を操る関西訛りの男
団塊の世代は23~25歳になった頃
大卒なら学生運動を止めて就職して仕事を覚え始めた頃
高卒なら数年勤めてそろそろ社会に嫌気が差してきたあたり
我がまま放題に育ってきた彼らが、体制の中に無理矢理社会の鋳型にはめ込まれる苦しみと、70年安保に敗北し体制転覆を果たせなかった怨念が凝り固まって映画となった作品なのだと思います
特筆すべきは権藤の女にさせられる渚まゆみが演じるまゆみの扱いです
一切の台詞がありません
しかし強烈な印象を残すのです
狂犬三兄弟があの様に暴れ狂ってみせて圧倒されたとしても、彼女が最後に本作の印象を支配して終わるのです
ラストシーンで彼女がうどんをすすります
そこにこうテロップがでます
「この女は数ヶ月後、狂犬の血をひいた子供を産んだ」
1972年10月の公開だから、その子供は1973年産まれ
つまり団塊ジュニアの誕生だったのです
団塊ジュニアこそは狂犬3兄弟の末裔なのです
団塊世代の果たせなかった夢を本作は子供世代に託そうとしたのです
子供はいい迷惑です
しかしなかには狂犬の血を明確に受け継いでいる人間もいるようです
その彼らも今年50歳になるのです
文太&邦衛&知らんオッサン
72年東映。
仁義なき戦いの前年に深作欣二が撮ったシリーズ。ヤクザ群集劇のプロトタイプといった趣きとも見れるが、かなりラフで猥雑。エロスシーンの多さも特徴的。残念ながら話はあんまり面白くない。狂犬だけあって女を殴りまくって観客もドン引きだわ。
揺れまくるカメラのカチコミ臨場感はもう完成されてる。そしてラストの展開は仁義なきへ継承された感あり。
やや寂しい出来か・・・
これは”仁義なき戦い”シリーズが終わってから作られた二番煎じみたいな話です。単独作品なのでうまくまとまっていて名作かなぁと期待してみたのですが、それほどでもありませんでした。ちょっと残念です。
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