悲愁物語のレビュー・感想・評価
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ベルボトム
ゴルフ場にてグリーンを基調としたコーディネートで黄色の襟が映える岡田真澄。ベルボトムを実にエレガントに着こなす。なるほど、こうやって着るものか。
群れる女共に出た杭は打たれる的な嫉妬渦巻く得体の知れない女社会というのは、男の妄想に過ぎて現代では見るには耐えない。梶原一騎原作でもあるので時代を割り引いたとしても、内容は破綻していて、エッジの利いた鈴木清順演出が輪をかけて、滑稽に見えてくる。
イカれた近所のおばさん役である江波杏子は、その目鼻スジのたった美貌が顕在で、新人女優を圧倒する。このあたりのバランスも壊れている。
ご近所来襲
梶原一騎ド根性物語の雇われ10年ぶり、鈴木清順の監督作品は干されて鈍ったかと思いきや、奇妙過ぎる話展開と清順らしいブッ飛んだ演出描写が終盤に連れ活きてくる。
一切役に立たない、問題の発端を作りながらも意味が無いような役柄な原田芳雄の為体、江波杏子の不気味な存在感、遠慮なしに妬みの応酬が如き雪崩れ込む近所の主婦群はまるでダーレン・アロノフスキー監督作「マザー!」を思い出す理不尽さ!?
天然全開で魅力的な主人公の女性は言われるがままにされるがまま、女優生命が短いのが実に惜しい。
しっかりした原作がありながらも自分の色は全開に、変わらないあの時のままな清順節は衰えず。
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